誰にでも、自分の心に正直に、目的を持って生きる権利がある。ただ、社会的抑圧や、恐怖心という自分自身による抑圧が、権利の行使を邪魔している。そうした抑圧から解放されたのちに手に入れることができる個人的自由を、著者は、「パーソナル・フリーダム」と呼ぶ。パーソナル・フリーダムとは、自分のために考え、活動し、平和や幸福を追求するという、いわば「人間の絶対的権利」だ。
革命家や哲学者、精神的指導者たちはパーソナル・フリーダムのために戦ってきた。人類の歴史は、その積み重ねの上にある。私たちがパーソナル・フリーダムを探し求めるのは次世代のためでもあるともいえるだろう。
パーソナル・フリーダムを実現するには、自分がどのように在りたいか見極め、自分をコントロールして努力しなければならない。
自分の中の恐怖心は、次のようにして自由を奪う。「非難されたり拒絶されたりするのが怖くて、夢を追うことなんて出来ません」。「失敗するかも知れないから、夢を追うことなんて出来ません」。
パーソナル・フリーダムを獲得するためには、こうした恐怖心を克服せねばならない。目前に身体的危険が迫っている場合を除けば、恐怖心が生じるのは、自分自身の心をうまく管理できていないからに過ぎない。このことに気づき、恐怖に慣れ親しんでマインドセットを変えていくのだ。人生の戦いで、恐怖が勝つか、自由が勝つか、という状況になったら、常に自由を選ぶのだ。
原動力のスイッチを入れる誘因を、モチベーションと呼ぶ。モチベーションを活用することができれば、どれだけ一人ひとりの成功がたやすくなり、社会が変わり、世界が繁栄するか計り知れない。
モチベーションを生み出すための第一歩は、行動をする理由を理解することである。なにを目標とするのか、なぜそれを目標とするのかに注目し続けることで、行動を起こしたいという欲求が生まれる。そして、その欲求がモチベーションをもたらす内なるエネルギーとして感じられるのだ。モチベーションは思考の結果生じるエネルギーであると理解し、自分の心をうまく導くことで、モチベーションのレベルをコントロールすることができる。
恐怖をしりぞけ、モチベーションを保って、パーソナル・フリーダムを実現する――そのためには、どのように行動したらよいのか。著者は、行動指針を9つの宣言として本書で紹介している。ここでは、そのうちのいくつかを紹介しよう。
まず紹介したい宣言は、「自分の計画を取り戻す」ということだ。毎日、自分が大切に思う活動に取り組んでいると、
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