逆境に克つ!

サンリオピューロランドを復活させた25の思考
未読
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サンリオピューロランドを復活させた25の思考
未読
逆境に克つ!
出版社
ワニブックス

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出版日
2019年08月21日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

2014年頃のサンリオピューロランドは、売上げが低迷していた。そのような状況でサンリオピューロランドの館長に就任した著者は、視察をした際に「サンリオピューロランドには可能性が満ちている」と確信したのだという。そして2018年度には、過去最高の来場者数を更新するまでの復活に導いていった。

本書は、著者が25のネガティブな相談に回答する形で構成されている。著者はすべての相談をポジティブに捉え、押し付けることなく優しくアドバイスする。25のアドバイスのなかにはきっと、あなたの悩みを解決に導いてくれるものがあるはずだ。

著者の人生は決して順風満帆だったわけではない。本書を読むとむしろ、思いがけないことや悲しいことも多かったようだ。しかし、起きてしまったことは起きてしまったこととして受け止めて乗り越えてきたからこそ、著者の語る言葉には重みがあるのだろう。

ハローキティがショーの中で、「誰だって、暗い気持ちになることがある。光を見たくないときも」と語る場面があるそうだ。著者はこの言葉に対して、「闇の中にいることで研ぎ澄まされる感覚があり、それが人生に役立つ知恵になっていきます」という。

あらゆるネガティブな考え方を明るく変えてくれる著者の言葉は、誰もが必ず経験する「逆境」に克つための、大きなヒントとなるだろう。

ライター画像
小嶋平康

著者

小巻 亜矢(こまき あや)
株式会社サンリオエンターテイメント代表取締役社長/サンリオピューロランド館長

東京都出身、東京大学大学院教育学研究科修士課程修了。
1983年(株)サンリオ入社。結婚退社、出産などを経てサンリオ関連会社にて仕事復帰。2014年サンリオエンターテイメント顧問就任、2015年サンリオエンターテイメント取締役就任。2016年サンリオピューロランド館長就任、2019年6月より現職。
子宮頸がん予防啓発活動「ハロースマイル(Hellosmile)」委員長、NPO法人ハロードリーム実行委員会代表理事、一般社団法人SDGsプラットフォーム代表理事。

本書の要点

  • 要点
    1
    サンリオピューロランドには、「遠い」「古い」などの制約がある。だが制約があるからこそ、必要以上に悩むことなく、やれること、やるべきことが明確になっている。
  • 要点
    2
    ブランクのある人には、続けてきた人とは違うキャリアの積み方がある。ブランクがあることによる葛藤も、その後に生かせばいい。
  • 要点
    3
    一緒に頑張る仲間には、たとえ部下であっても尊敬と感謝の気持ちを持ってコミュニケーションをとろう。そうすれば、自分も相手も成長していけるはずだ。

要約

ハンデは強みに変えられる

「遠くて不便ですよね」
damircudic/gettyimages

サンリオピューロランドは、新宿から急行で30分のところにある。確かに、原宿に遊びに行くのと比べると、都心からは少し離れているといえるだろう。業績が良くなかったとき、その原因を立地だと分析した人もいた。しかし、実はこの距離が強みでもある。

よほど近くに住んでいる人でなければ、現地集合・現地解散はせず、待ち合わせをしてからサンリオピューロランドを目指すだろう。新宿から電車で行くならば、サンリオピューロランドに遊びに行く日はきっと家を出る前から楽しみで、新宿からの30分間を長く、待ち遠しく感じるかもしれない。

向かっている間も、今日はどのショーを見ようか、どのキャラクターと一緒に写真を撮ろうかと、サイトを見ながら考えてくれるはずだ。そうすると、その30分間も楽しい1日の第1章として過ごしてもらえるのではないだろうか。

またサンリオピューロランドのある多摩市は、23区から見るとあまり東京らしくなく、それゆえ多摩市を一緒に盛り上げようという気持ちが強い土地柄だ。2002年には多摩センター地区が「ハローキティに会える街」に制定され、2004年にはハローキティが多摩センター親善大使に任命されている。さらに地盤も強く、地震に強い街ランキングではいつも上位だ。

つまりサンリオピューロランドは、遊びに行くにはちょうどいい距離であり、ほかの環境にも恵まれている。遠くて不便と思い込んでしまっていると、良さを見落としてしまう。

「施設が古くなっていませんか」

サンリオピューロランドのオープンは1990年。若い人にとっては、歴史の教科書で習うような昔のことに思えるかもしれない。

確かにサンリオピューロランドは、どこもかしこもピカピカだというわけではない。でも、清潔で快適な状態を保つための努力はしているし、サンリオピューロランドの古さは、汚いとかくすんでいるとかではない、味のある古さである。古さを悪いことととらえず、あえて古いまま残しているところもある。

たとえば、小さな「工場」が集まったエリアもそのひとつだ。その中には、オープン当初からほとんど変わっていない空間があり、以前はスムーズに動いていた人形の動きも、今や少しカクカクしてしまっている。利益のことだけを考えれば、この空間はショップやカフェに作り替えたほうがいいのかもしれない。でも、

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要約公開日 2019.10.18
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