本書では、4つのステップを通して「PLAY WORK(遊ぶように働く)」を実現する方法が紹介される。まず、自己認識のステップから紹介していこう。
初対面の相手から「あなたは何者ですか?」と問われたら、何と答えるだろうか。名前などではなく、「自分がどんな人間で、何をしたいのか」を答えられるかどうか、考えてみてほしい。
その答えを持っている人は、自己認識ができている人だ。自己認識ができ、自分のやりたいことがわかっていれば、仕事を楽しめる。
一方で、自己認識が希薄な人は、自分のやりたいことがわからないため、会社や上司から指示された業務をこなすのが仕事になる。仕事を「嫌だなあ」と思っても、自分の得意なことを知らなければ、与えられた仕事をやるしかないものだ。こんな仕事が楽しいはずはない。
自己認識が希薄な人が多いのは、「組織から期待される役割=自分のやりたいこと」と思い込んでいる人が多いからだろう。「仕事とは楽しくないもの、嫌なことを我慢してやるもの」「上司は上司らしくふるまうべき」といった固定観念も、正しい自己認識を妨害する要因となる。
自分を固定観念から解き放つには、いろいろな人に会い、いろいろな世界に触れることが最も効果的だ。今まで出会わなかったタイプの人に会って「そんな考え方があるの?」と気づいたり、海外に出掛けて「これって当たり前のことなの?」と常識を疑ったりすることが、自己認識への第一歩だ。
やりたいことに夢中になれば、誰だって楽しく仕事をすることができる。もし自分のやりたいことがわからないなら、かつて興味があったことや、抱いていた夢を思い出してみよう。この1週間の仕事を振り返って、楽しかった仕事のランキングをつけるのもいい。誰との仕事に一番テンションが上がったか、それはなぜなのかを考えてみるのも効果的だ。そうすれば、自分の好きなことや得意なことが見えてくる。
「何が楽しくて、何が楽しくないか」を把握できたら、次のステップは「楽しい仕事」を増やし、「楽しくない仕事」を減らすことだ。チームで仕事が生まれたとき、「それ、得意だからわたしに任せて!」と手を挙げたり、「この仕事、○○さんが適任なんじゃない?」と推薦したりして、それぞれが楽しいと思える仕事を担当する。同時に、苦手な仕事はそれが好きな人、得意な人に任せるようにする。
仕事量の多寡で分担を決めたり、「A社の仕事は○○さんの担当」といった専任制にしたりしてはいけない。とにかく、楽しい仕事、得意な仕事に特化することだ。
次のステップは、自己開示だ。自己認識した後、それを自分の胸にしまっておくのではなく、「わたしはこれがやりたい」「これが欲しい」と周りの人に伝えていく。
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