著者は創業10年目を迎えたころ、「学びなおし」の必要性を感じ、社会人入試を経て大学に通い始めた。大学では、「学び、考え、身につき、試す」という一連のプロセスを繰り返し、大きく成長できたという。そして、次第に「もっと学びたい」という前向きな意欲が高まっていった。
「学ぶ」という行為は人をポジティブにする。ポジティブ思考の人は思考性のセンスがいい。新しい意見や現状を否定的に捉えず、前向きに考える思考力が、自分自身や会社の成長を促すのだ。
また多様な人間が働く会社の中では、とくにポジティブ思考が重要となる。たとえば「子どもが熱を出したので早退したい」という部下に対して、ネガティブ思考の人はすぐに否定から入ってしまうが、ポジティブ思考の人は「早く帰りなさい」と快く送り出すことができる。広い視野を持ち、目の前の業務のことだけではなく、長期的な視野で組織としてのベストを考えているからだ。自分とは違う考え方やライフステージの人を「理解できない」とネガティブに捉えるのではなく、視野を広くして前向きに考えれば、職場のコミュニケーションは円滑になる。
ネガティブ思考の人は、安定を求める。だからネガティブ思考の人が集まっている場所では、イノベーションは起きない。イノベーションを起こすには、失敗を恐れず、結果が出ないときも楽しみながら働くというポジティブ思考が欠かせないのだ。
現状に行き詰まりを感じているときこそ、学びなおしのチャンスだ。自分にできることからでいい。自分がやってこなかったことに思い切って挑戦すれば、ポジティブ思考への道が開けるだろう。
MBA(経営学修士)は、経営学の大学院修士課程を修了すると授与される学位だ。日本では「MBAは役に立たない」と言われることも多いが、MBAはビジネスの可能性を広げ、仕事のスピードを驚異的に上げてくれるものだ。
MBAのフレームワークは、国際的なビジネスの場での共通言語となる。それらを完全に理解して使いこなせなければ、グローバルに活躍するビジネスパーソンとは対等に話すことすらできない。世界に出て勝負するには、世界基準の「武器」が必要なのだ。
MBAの活用法としては、学んだことをすぐにアウトプットして試してみることが挙げられる。著者は「サービスのデータ化」の講義を受けたあと、会社に戻ってすぐに担当者を呼び、各ブランドの接客マニュアルを作り直してもらったという。
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