人生を変える

記録の力

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出版社
実務教育出版

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出版日
2019年09月30日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

記録の効能は広く知られるところだ。家計簿やToDoリストなどという形で、日常的に記録をつけている人も多いだろう。「記録魔」だったといわれる過去の偉人たちも多く、アインシュタインやニュートンなどはあらゆるデータを書き残して、多くの成果を上げてきたという。この誰もが行っている「記録」について、そのポテンシャルを最大限に使いこなすためのテクニックが多数用意されているのが本書である。

著者は、近年メディアで引っ張りだこのメンタリストDaiGo氏だ。著者自身、10数年にわたって記録を続けて、ふとしたときに浮かんだアイデアや気になった情報をメモや音声ファイルに残してきた。その量は数万にものぼるという。そして年間12冊以上の書籍をコンスタントに出版できているのも、普段から膨大な「記録」をため込んでいるからだと断言している。

本書には、心理療法で用いられている記録術をベースに、複数の試験で効果が確かめられたテクニックが集められている。テクニックの数は33にのぼり、そのすべてに記録用紙と記入例が用意されている。いずれの記録術にも説得力があるだけでなく、どこから読んでみてもわかりやすい構成になっているので、自分の悩みを解決するための具体的なテクニックを得られるはずだ。

「悩みはあるけれど、どうやって解決したらいいかわからない」という人だけでなく、普段メモやノートを目標達成のツールとして使っている人にも、有効な一冊となるだろう。

ライター画像
小嶋平康

著者

メンタリストDaiGo
慶應義塾大学理工学部物理情報工学科卒業。人の心をつくることに興味を持ち、人工知能記憶材料系マテリアルサイエンスを研究。英国発祥のメンタリズムを日本のメディアに初めて紹介し、日本唯一のメンタリストとして数百のTV番組に出演。その後、活動をビジネスおよびアカデミックな方向へと転換し、企業のビジネスアドバイザーやプロダクト開発、作家、大学教授として活動中。日々インプットした膨大な情報・スキルを独自の勉強法で体得し、驚異的な成果をあげ続けている。著書は累計330万部。『週40時間の自由をつくる超時間術』(実務教育出版)、『自分を操る超集中力』(かんき出版)ほかヒット作多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    やりたいことが見つからない場合は、「行動ダイアリー」をつけ、自分が何に「達成感」と「喜び」を感じているかを把握しよう。そうすれば、自分にとって幸福度が高い行動を増やしていくことができる。
  • 要点
    2
    どうしてもモチベーションがわかないときは、「心理対比セッティング」を使い、目標達成の障害を取り除こう。
  • 要点
    3
    人生に迷ったら、「ライフキャリア・ホイール」を試してみよう。理想の自分になるためにすべきことを考えるヒントになる。

要約

やりたいことを見つける

行動ダイアリー
LaylaBird/gettyimages

やりたいことが見つからない人におすすめなのが「行動ダイアリー」だ。この手法は、認知行動療法の父と呼ばれるアーロン・ベックによって1970年代に考案された。モチベーションの低い人や、自分がなにをしたらいいのかわからない人にぴったりの記録術である。

行動ダイアリーは、3つのステップに分けられる。ステップ1では、その日に取った行動を1時間単位で記録する。ステップ2では、その行動に対して感じた「達成感」と「喜び」のレベルをそれぞれ10点満点で採点する。そしてステップ3として、ある程度の記録がたまったタイミングでダイアリーをながめて、自分がどのような行動に「達成感」や「喜び」を感じているのかを知る。

幸福度は、行動に対する「達成感」と「喜び」のバランスで決まる。このレベルを同じぐらいにすると幸福の総量が上がり、結果的に豊かな人生につながっていく。

「行動ダイアリー」を見てみると、「自分はどのような行動に幸せを感じているのか?」がわかる。自分にとって幸福度が高い行動を増やせば、本当に好きなものに気づくことができるはずだ。

【必読ポイント!】 モチベーションを上げる

心理対比セッティング

「なんだかやる気が出なくて作業が進まない……」「明日までにやることがあるのに、どうしてもモチベーションがわかない……」といった状況に陥っている人には、心理学者のピーター・ゴルヴィツァーが編み出した「心理対比セッティング」が最適だ。ある研究によれば、達成が難しい作業に「心理対比セッティング」を使うとモチベーションが上がり、達成率が2〜3倍も高くなったという。

心理対比セッティングは、4つのステップで構成される。まず、いまの自分が達成したい目標を書き出す。次に、その目標がなぜ重要なのかを考えて、理由を記入する。「運動を習慣にする」という目標ならば、「健康になりたい」「体力をつけてバリバリ働く」などの理由が挙げられるだろう。次に、設定した目標の障害になりそうなものを書き出す。最後に、その障害の対策を可能な限り詳細にイメージする。障害が「仕事が延びて時間がなくなる」であれば、「時間がなくなった場合は、5分で終わる簡単な運動をする」といった具合だ。

クイック・ウィン分析
Rawpixel/gettyimages

進歩は、どんなに小さくても、モチベーションを高めてくれるものだ。そんな「小さな進歩」を利用する記録法が「クイック・ウィン分析」である。

「クイック・ウィン」は、「小さいけれどスピーディーな成功体験」のことをいう。あえて短期間で小さな成果を出し、プロジェクトの士気を高めていくという考え方だ。

クイック・ウィン分析では、「プロジェクト」「クイック・ウィン」「難易度」「インパクト」「合計スコア」の5つの欄に分かれた記録用紙を使う。「プロジェクト」の欄にはいまの最終ゴールを書き、「クイック・ウィン」の欄にはそのプロジェクトについてもっとも手軽に進捗を実感できそうな行動や結果を、思いつく限り記入する。

「難易度」の欄には、それぞれのクイック・ウィンの難易度を5点満点で採点する。簡単そうなら5点、難しそうなら1点だ。

「インパクト」の欄には、クイック・ウィンを達成した場合、プロジェクトにどれくらいの影響があるかを5点満点でつける。影響が大きそうなら5点、小さそうなら1点としよう。

最後に、「合計スコア」の欄には「難易度」と「インパクト」の点数をかけあわせた数を記入する。

5つの欄を埋められたら、合計スコアの点数が高いものから着手しよう。「小さな進歩」によってモチベーションを維持しつつ、プロジェクトの達成に向かって進んでいけるはずだ。

ストレスに強い心を育てる

ストレス日記

誰もが避けることができないストレス。ストレス解消法を見つけることも大切だが、その前に、自分が抱えているストレスを正しく把握しておこう。

「ストレス日記」は、自分のストレスを可視化できる記録術だ。

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要約公開日 2020.01.08
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