きみはスゴイぜ!

一生使える「自信」をつくる本
未読
きみはスゴイぜ!
きみはスゴイぜ!
一生使える「自信」をつくる本
未読
きみはスゴイぜ!
出版社
飛鳥新社
出版日
2020年07月03日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

「くたびれて自分に自信がなくなった」、「やる気に火をつけたい」、「何かを達成したい」――以上のような思いがあるときは、ぜひ本書を手にとってみてほしい。

本書はイギリスで大ヒットした、子ども向けに書かれた成功哲学の本である。読みやすくわかりやすく、しかも本質を教えてくれる。子ども向けの良書は、大人にとっての良書であることも多い。まさに本書はその好例である。

著者マシュー・サイドは、卓球選手として輝かしい経歴をもち、執筆業に転身してからもヒットを飛ばしているが、自分のことを「ふつうの子」だったと語る。ふつうの子が目標を持って、努力をしたことで、スゴイことを達成できた。夢を実現するために必要なのは才能ではない、きちんとしたやり方に沿って努力をすることだ、というのが著者の主張だ。そのやり方を、誰もが知っているような偉人たちやミュージシャン、スポーツ選手たち、そして自身の経験を挙げながら、本書でじっくり解説している。

とはいえ著者が言いたいのは、富や名声を勝ち取ろうということではない。重要なのは、何もせず一時の楽しみに流される人生を送るのではなく、行動して何かの達人になろう、なりうる最高の自分になろう、ということだ。

本書から学べるのは、自信をもてるようなマインドセットのつくり方と、努力の方法である。人生を前向きに歩んでいくための知恵がここにある。ぜひあなたの生活にも取り入れてみてほしい。

ライター画像
小日向悦子

著者

マシュー・サイド(Matthew Syed)
作家、英『タイムズ』紙コラムニスト。元卓球選手で、現役時代には全英チャンピオンに4度輝き、オリンピックに2度出場。オックスフォード大学哲学政治経済学部を首席で卒業。本書は『サンデータイムズ』紙ベストセラー1位獲得、ブリティッシュ・ブック賞の2019年ベスト児童ノンフィクションに選ばれるなど、少年少女向けのビジネス書として異例のヒットを記録。BBC『ニュースナイト』やCNNでコメンテーターとしても活躍。恵まれない子どもたちをスポーツ指導で支援する慈善事業にも携わる。二児の父。著書に『非才!』(柏書房)、『失敗の科学』(ディスカバー・トゥエンティワン)がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    人の能力は努力によって伸ばせる、という「しなやか系マインドセット」を持とう。特定の行動をするための神経回路は、「キツイ練習」を増やせば増やすほど、強力で長続きするものになる。
  • 要点
    2
    マージナル・ゲインという考え方を取り入れよう。大きな目標を小さく分解し、一つひとつに「ほんの小さな改善」を加える。改善がかけあわされれば、全体は大幅に改善される。
  • 要点
    3
    大切なのはスタートを切ること。最高の自分になることだけを目指して、目標に全力で取り組むことだ。

要約

ふつうの子がスゴイ子になる方法

成功の秘密
South_agency/gettyimages

退屈で平凡な町に住むふつうの子Aくん。あるとき両親がサプライズで、ガレージに卓球台を用意した。見るからにテンションが上がっている父親と対戦することになったけれど、まるで歯が立たない。ここが、Aくんがそのままふつうの子になるのか、スゴイ子になるかの分かれ道だった。

Aくんがふつうの子になる道からたどってみよう。Aくんにはチャレンジする情熱がなく、お父さんに誘われても「ぼくには向いていないから」と断り、ゲームをしてお菓子を食べて、とくに何も取り組まなかった。

一方、Aくんがスゴイ子になる道はこうだ。Aくんはあきらめず、テレビゲームをするかわりに卓球の練習をした。そのうちに卓球が楽しくなった。そして、自分の限界までうまくなりたいと思った。父親と、スポーツ万能の兄はいい練習相手になった。小学校の熱血教師に勧められて地元の卓球クラブに入り、熱心に技を磨き続け、とうとう全英選手権で優勝する――。

実際にこの道をたどったのが本書の著者だ。生まれつきの才能がなくても、ゼロからのスタートでも、何かの達人にはなれる。夢を実現できるかどうかは、やり方次第なのだ。

【必読ポイント!】 スゴイことを達成するために

心にブレーキをかけているもの

新しいことに挑戦したり、困難に直面したりすると、不安や心配がやる気にブレーキをかけてしまう。ブレーキには、さまざまな種類がある。たとえば、大胆なことをすると人に笑われてしまうんじゃないかという恐怖や、成功者を見て「違う世界の話だ」と思うこと、などである。

こうしたブレーキを外すには、マインドセットについて考えることが大切だ。スタンフォード大学教授のキャロル・ドゥエックは、若者たちを対象に調査を行い、マインドセットこそがブレーキをかけたり、逆に何かを上達するときの手助けになったりするということを示した。

才能のあるなしは生まれつき決まっていると考える「かちこち系マインドセット」を持っていると、練習しても上達する余地がないと考えて努力をしなくなる。対して、なんでもうまくなる人が持っているマインドセットは「しなやか系マインドセット」だ。人の能力は努力によっていくらでも伸ばせる、という考え方である。

「かちこち系マインドセット」を少しずつでも「しなやか系マインドセット」に変えていくためには、使う言葉をリフレーズしていくとよい。「やっぱりダメだ!」を「まだ練習が足りないだけ」に、「もうやーめた」を「別の方法はないかな?」というふうに。

脳ってすばらしい
tadamichi/gettyimages

脳は中枢神経系に信号を伝えることで、体のすべての活動をコントロールしている。生命維持のための回路を除けば、大半の回路はギターをひいたり、台本を覚えたりといった特定の行動をするためのものだ。ある行動に必要な信号を伝えようとすると、そのための神経回路が形づくられる。さらに繰り返しやればやるほど、神経結合は増えて強力になる。これが「神経の可塑性」である。

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要約公開日 2020.11.15
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