自分を操り、不安をなくす 究極のマインドフルネス

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自分を操り、不安をなくす 究極のマインドフルネス
出版社
出版日
2020年09月01日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

大きな試練が目の前に立ちはだかっている。乗り越えられれば大きな成功を手にできるかもしれないが、失敗したときのことを考えると不安でたまらない。前向きな気持ちを持とう、勇気を振り絞ろう、自信を持とうと心がけたところで、なかなかうまくいくものではない。それどころか、考えれば考えるほど、どんどん不安にとらわれていき、身体が固くこわばってしまうものだ。

そんなとき、本書の紹介する「マインドフルネス」が助けになるかもしれない。著者のメンタリストDaiGo氏が様々な研究成果を引用しながら、マインドフルネスについて理論的な説明を加えるだけでなく、誰もが経験したことがある日常的な事例に役立つ考え方や習慣を提案してくれる。マインドフルネスは、特別な訓練が必要なものではなく、日常生活に自然に取り入れられるものだ。

本書で解説されているテクニックを取り入れてみると、不安やストレスといったネガティブな感情にとらわれるのではなく、ネガティブな感情を抱いている自分を客観的に見つめる視点を持てるようになるだろう。不安やストレスのある状況に対して、マインドフルネスは即効性のある解決策ではないかもしれない。しかし、「いまここ」に集中する体験を積んでいくことで、ネガティブな感情があっても悪くないと思える、ネガティブな感情に強い自分になることができるだろう。そうすることで、自分の持てる力を最大限に発揮できるようになるのではないだろうか。

ライター画像
大賀祐樹

著者

メンタリストDaiGo(めんたりすと だいご)
慶應義塾大学理工学部物理情報工学科卒。人の心を作ることに興味を持ち、人工知能記憶材料系マテリアルサイエンスを研究。イギリス発祥のメンタリズムを日本のメディアに初めて紹介し、日本唯一のメンタリストとしてTV番組に出演。その後、活動をビジネスやアカデミックな方向へ転換、企業のビジネスアドバイザーやプロダクト開発、作家、大学教授として活動。趣味は1日10~20冊程度の読書、猫と遊ぶこと、ニコニコ動画、ジム通いなど。
ビジネスや話術から、恋愛や子育てまで幅広いジャンルで人間心理をテーマにした著書は累計330万部を超える。主な著書に『ムダに悩まない理想の自分になれる 超客観力』(repicbook)、『知識を操る超読書術』(かんき出版)、『「好き」を「お金」に変える心理学』『最高のパフォーマンスを実現する超健康法』(以上、PHP研究所)、『ワンコイン心理術』『ワンフレーズ心理テクニック』(以上、PHP文庫)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    マインドフルネスとは、自分が何をしているかに気づき、気づいたことに対して判断を下すのではなく、あるがままに、明確に、その物事をとらえることだ。
  • 要点
    2
    脳に負荷をかけるタスクを行っていないと、脳が不安に弱くなる。「脳の筋トレ」で不安脳を改善し、不安があっても「悪くない」と思える状態を目指そう。
  • 要点
    3
    お坊さんやサイコパスは、過去への後悔や未来への不安が少ない。彼らのように「いまここに集中」することで、ストレスやプレッシャーに強くなり、マインドフルネスな状態になれる。

要約

いまここに集中する、マインドフルネスの基本

幸せになるために、生きている
elenabs/gettyimages

人は、何のために生きるのだろうか。著者の答えは「幸せになるため」だ。しかし、悩んでも仕方のないことで悩み続けてしまったり、人間関係で不安にさいなまれたりして、ちっとも幸せだと感じられない人が多いのではないだろうか。

じつは、こうした悩みとは、人が勝手に抱いているだけにすぎないのだ。世の中で起こっていることと、自分がそれをどう感じるかは別物である。「子供が走り回っている」という同じ現象に対して、「かわいいな」と思う人もいれば、「うるさいな」と感じる人もいる。自分のとらえ方によって周囲の出来事はどうにでも変わってしまう。だから、何か問題が起きたときは、まわりを変えようとするよりも、自分を変えていこうとする方が、ずっと生きやすくなる。

本書では、テレビ出演を機に嫌な経験をたくさんし、ふさぎ込んだこともあるという著者が、自分の心をラクにしてくれた考え方やテクニックを紹介する。自分を変えるきっかけとなるのは「マインドフルネス」と「瞑想」だ。マインドフルネスとは、直訳すると「気づき」のことであり、それを強化してくれるのが「瞑想」である。

瞑想において、呼吸は非常に重要な要素だ。呼吸をある一定のペースにすると、集中力が高まり、自分をコントロールする力がつき、さらにはポジティブになれるということがわかっている。ぜひここで何回か深呼吸をしてみてから、続きを読み進めていただきたい。

マインドフルネスのABC
Geber86/gettyimages

私たちの脳はつねに自動運転状態にある。便利な反面、自分が何をしているかがわからなくなったり、物事に喜びを感じられなくなったりするという弊害もある。そこで、マインドフルネスでは、ふだん見逃しているところを、先入観をもたずにありのままに見て、本質に気づこうと試みる。特別なことをする必要はない。マインドフルネスは、話を聞くときや食べるとき、作業をするときなど、普段の生活のなかに取り入れられるものだ。

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要約公開日 2020.12.04
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