食べても太らず、免疫力がつく食事法

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食べても太らず、免疫力がつく食事法
出版社
クロスメディア・パブリッシング

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出版日
2020年09月21日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

肥満とは、病気の一種なのだそうだ。ちょっと太っているけど健康、なんてことはありえない。内臓脂肪がついている時点で、なんらかの健康異常が生じているサインなのだ。

これまでさまざまなダイエットに挑戦したが、思うような結果が得られず、ガッカリした経験があるという人は少なくないだろう。要約者もそのひとりなのでよくわかる。本書は、ダイエットの失敗の裏に隠れた根本的な問題を教えてくれる。まずは、「太っているけど健康」がありえない理由を真に理解しないかぎり、ダイエットの成功はないと知らなければならない。

本書に興味を持ったみなさんの動機は、痩せることにあるのだろうか。それとも新型コロナウイルスの蔓延で自分の体の免疫力に危機感を抱いたことにあるのだろうか。いずれにせよ、本書によれば、肥満も免疫力の低下も問題は同じだといえる。体の組織や器官の中で単独で機能しているものはなく、あらゆる体の不調は互いに関連づいているためだ。本書は健康に過ごしたいと願うすべての人にとって知っておきたい情報が満載だ。

これまでダイエットに成功しなかったのは、痩せることだけにフォーカスしていたからなのかもしれない。本書の示すように、免疫器官が正常に機能し、細胞がいきいきと活動しているなら、肥満とは無縁でいられるはずだ。今度こそリバウンドせずに痩せたい、単に痩せるだけではなく、免疫力を高めて本当に健康な体を手に入れたいのであれば、本書には一読の価値がある。

ライター画像
金井美穂

著者

石黒成治(いしぐろ せいじ)
消化器外科医、ヘルスコーチ
1973年、名古屋市生まれ。1997年、名古屋大学医学部卒。国立がんセンター中央病院で大腸がん外科治療のトレーニングを受ける。その後、名古屋大学医学部附属病院、愛知県がんセンター中央病院、愛知医科大学病院に勤務する。2018年から予防医療をおこなうヘルスコーチとしての活動を開始。腸内環境の改善法、薬に頼らない健康法の普及を目的に、メールマガジン、YouTube、Instagram、Facebookなどで知識、情報を分かりやすく発信している。Dr.Ishiguro YouTubeチャンネル登録者数は6.7万人(2020年9月現在)。
https://www.youtube.com/c/guroguro114

本書の要点

  • 要点
    1
    著者が4カ月で14kgの減量に成功した「ケトジェニックダイエット」とは、糖質を控えて良質な脂質をたくさん摂取する食事法である。
  • 要点
    2
    腸は体の免疫システムの約70%が集まる重要な免疫器官であり、腸内環境が乱れているとダイエットは成功しない。
  • 要点
    3
    肥満の裏にはホルモン異常がある。それを改善するのに良い方法が、食べる時間を8時間以下にする断食法「間欠的ファスティング」だ。
  • 要点
    4
    腸内環境の改善は口内環境の改善から始まる。
  • 要点
    5
    正しい糖質制限で腸内環境が改善されれば、体に免疫力がつき健康的に痩せていく。

要約

肥満解消の真のゴールは痩せることにあらず

誤った食事制限には命の危険が
Prostock-Studio/gettyimages

4カ月で無理なく14kgの減量に成功。顔の吹き出物が消えて、日中のパフォーマンス向上にも効果あり。しかも体重が自然と落ちていくため、周囲にダイエットだと気づかれにくい。

こんな申し分ない結果を著者にもたらしたのが、「ケトジェニックダイエット」という、糖質を控えて良質な脂質をたくさん摂取する食事法だった。

一般的に良いとされる食事バランスが「炭水化物60%、タンパク質15%、脂質25%」であるのに対して、ケトジェニックダイエットは「炭水化物20%、タンパク質30%、脂質50%」というバランスにする食事法だ。

「糖質制限(炭水化物制限)」を徹底するダイエットが人気を博しているが、これは一概によいとは言えない。ある研究によれば、糖質カットは脂質カットよりも短期的には減量効果が高くなる。しかし、低炭水化物食では口臭、口渇、便秘などが発生しやすい傾向にあり、長期的には減量効果も低かった。

指導を受けずに、極端な食事制限や糖質制限を試みることには危険が伴う。肥満の人を対象にした実験では、カロリー制限で心臓の機能が低下することが示されている。食事制限は間違った方法でおこなえば、心臓発作などのリスクがあることをよく認識しておかなければならない。

細胞が元気なら体は不調知らず

「健康」とはどのような状態か。著者の考えでは、細胞の一つひとつが元気に活動している状態のことだ。細胞が行う行為は、「必要な栄養分の取り入れ」と「不要物の排出」である。これができなくなると、細胞に異常が生じる。異常の究極の形が、細胞同士のネットワークを無視して増殖するがん細胞だ。

がん細胞のような異常な細胞は、免疫機能が正常に働けばすぐさま破壊される。疫能力が正常であれば、理論的にはがんになることはありえない。がんと診断される人は、がん細胞が増殖しているおよそ10年以上もの間、免疫機能がうまく働いていないということになる。

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要約公開日 2020.12.03
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