本書は、作家・書評家の印南敦史氏がライフハッカー[日本版]に書いてきた書評の中から、アクセス数の多かったものをまとめた、いわば著者の書評家としてのひとつの集大成である。厳選された書評は「BUSINESS」「LIFE」「MIND」の3カテゴリーに分けて収録されている。
「BUSINESS」でまずテーマとなるのは「会話」である。「おもしろい人はやっている、会話を盛り上げる7つのポイント」と題し、テレビのディレクターとして「あまちゃん」などを制作してきた吉田照幸氏による『「おもしろい人」の会話の公式』(SBクリエイティブ)が紹介される。
吉田氏は、「おもしろい」ことが、コミュニケーションの問題を一気に解決する可能性を秘めているという考えの持ち主だ。この本では、テレビディレクターの吉田氏ならではの「現場で培った生のコミュニケーション術」が記されている。
たとえば、「相手から質問してきたことは、聞き返す」のが基本なのだという。音楽は何が好きなのかと聞かれたら、自分の答えを伝えたうえで、相手にもどんな音楽が好きなのかと質問する。そうすると、喜んで話をしてもらえるわけだ。
テレビのディレクターのテクニックは、特別なものではなく、誰にでも応用可能なものだ。通読すれば、きっと「おもしろい会話」のコツが見つかるだろう。
お金について知っておきたいことをわかりやすくまとめてくれているのが、著名な経済評論家・山崎元氏の『お金で損しないシンプルな真実』(朝日新聞出版)だ。
山崎氏は「お金の正体」を「誰かに何か『いいこと』をしてあげた時に、その『感謝のしるし』としてもらえるものがお金だ」と定義している。「いいこと」と「感謝」の関係が、目の前の具体的な誰かのためだけでなく、大きく社会に広がっているのが、現在の経済というシステムである。
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