人見知りでもセレンディピティ

身近な奇跡が爆増する20のルール
未読
人見知りでもセレンディピティ
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身近な奇跡が爆増する20のルール
著者
未読
人見知りでもセレンディピティ
著者
出版社
出版日
2020年09月26日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

本書は、偶然をきっかけに発生する幸運=「セレンディピティ」といかに出会うのか、その確率を高める技法について述べたものである。「セレンディピティ」と聞くと、スピリチュアルなアプローチを想像される方も多いかもしれない。だが本書に記された内容は、むしろ実直なコミュニケーション術に近い。

本書の著者は、Googleでの勤務期間中に部活動の企画を開催したことがきっかけで、社内に心を許せる仲間が増えていったという。このような「何らかのきっかけを始点として、自らアクションを起こす」ことの重要性が、本書では何度も強調される。ただ偶然に出会うだけではなく、その偶然を好機と認識し、よい結果を勝ち取る。そうした行動をとれるかどうかが、その後の人生の行く末を大きく分けるという。

記されている内容は難しいものではない。著者の実体験をもとにしつつ、平易な文章でセレンディピティを発生させる具体的なコツが、いくつも述べられている。その多くはシンプルなもので、読んだその日から実行できるだろう。「人見知りでも、コミュニケーションがうまくいっている人の成功例を知りたい」、「人見知りだけど、もっと人と関わりながら楽しい経験を増やしたい」という考えで本をお探しの方に、イチオシの一冊である。

ライター画像
狩野詔子

著者

林勝明 (はやし かつあき)
セレンディピティコンサルタント・ZAS株式会社代表
1981年生まれ。サンフランシスコ州立大学、慶應義塾大学大学院SFC卒。2007年、Googleに入社し、大手企業との事業提携や新規事業の立ち上げに数多く携わる。六本木ヒルズの大人の部活動「ヒルズブ!」創設メンバー。2018年、Googleを退職し、ZAS株式会社を起業。「セレンディピティ(=偶然の素敵なつながり)で人生を豊かに」をテーマに企業コンサルティング、コミュニティの企画・運営などの事業を展開中。年間100以上の企画やサポートを行いつつ、立ち上げたコミュニティ活動から多くの仕事や恋愛の縁が生まれ、時に「歩く縁結び神社」と呼ばれる。趣味のサルサダンスでは世界大会に出場、英語と韓国語のトリリンガルでもある。一般社団法人 LIFE IS ROSE理事。ダンスコミュニティRoppongi Dance Lab.主宰。

本書の要点

  • 要点
    1
    ふとした偶然をきっかけに人生が変わるような幸運を、「セレンディピティ」と呼ぶ。セレンディピティは、「出会いの頻度」と「気づき」の掛け算の結果、生まれるものである。
  • 要点
    2
    人間は本能的に、見知らぬ人とのコミュニケーションに抵抗があるものだ。8割の人が人見知りであるという前提で接すると、コミュニケーションは楽になる。
  • 要点
    3
    オンラインのコミュニケーションの場では「ゆるさ」を演出しづらいが、会話をしなくても成り立つゲームなどを交えて「ゆるさ」を増やせば、得られる「気づき」も多くなる。

要約

【必読ポイント!】「出会いの頻度」と「気づき」がセレンディピティを生む

偶然を幸運に繋げる

「ふとした偶然をきっかけに人生が変わるような幸運を得ること」を、「セレンディピティ」と呼ぶ。

たとえば科学の分野において、「うっかり実験ミスをしたことが、新しい発見に繋がった」という話を聞いたことはないだろうか。このようなセレンディピティは誰にでも起こりうるものであり、コツさえ掴めば簡単に再現可能である。ふだんの返事を少し変えるなど、ちょっとしたコツを実践することで、「気づいたら、素敵な偶然がよく起きている」という状態はつくれる。

セレンディピティの法則
metamorworks/gettyimages

セレンディピティとは、「出会いの頻度」と「気づき」の掛け算の結果として生まれるものだ。縦軸に「出会いの頻度」、横軸に「気づき」の多寡を取り、4つの象限でセレンディピティの生まれやすさを分析すると、以下のようになる。

右上は「出会いが高頻度かつ、気づきが多い」、ハイ・セレンディピティの象限であり、常によい出会いがあると感じられる状態だ。

右下の象限は「出会いが低頻度だが、気づきが多い」というロー・セレンディピティを示す。年に1度ほど、よい出会いがあると感じられる状態だ。

左上の象限は、「出会いは高頻度だが、気づきが少ない」、まぐれ・セレンディピティの状態だ。いろいろと出会いの機会を増やしているのに、よい出会いはなかなかないと感じられる状態を指す。

最後に左下の象限は、「出会いが低頻度かつ、気づきも少ない」、つまりノー・セレンディピティの状態である。

たとえチャンスの頻度が高くても、幸運に気づかなければセレンディピティには至らない。気づきが多い人でも、新しい出会いの頻度が少なくなると、その力を生かす事はできないのである。

シンクロニシティとセレンディピティ

シンクロニシティ(共時性)は「驚くべき偶然の一致」を指す言葉で、「学生時代の恋人と道でばったり出くわした」というような事例を指す。これによって人生が好転することもあれば、ただ驚いただけで終わることもある。予測できない事態であるため、事前に備えておくことは難しい。

一方でセレンディピティには、発生した偶然の出来事に意義を見出し、よい機会と捉えられるという気づきがある。先ほどの恋人との偶然の再会を例にとると、その偶然に意義を見出すことができれば、再会をきっかけに「久々に同窓会でも開催しよう」という行動につながるかもしれない。

このような行動は、普段からゆるいつながりの活かし方を心得ているからこそ、達成できるものだ。日常のちょっとした機会をきっかけにセレンディピティを発生させることで、人生ががらりと変わることもある。

出会いの頻度を楽に高めるために

新しい人との出会いは気が重い
marchmeena29/gettyimages

人間は基本的に人見知りだ。知らない人がたくさんいれば気まずいし、自分はこの場に受け入れられるのかどうか、不安に思うものである。一見社交的に見える人ですら、はじめての人々との出会いにおいては、不安や疲れを感じることが多いという。

これは近年流行している「オンライン飲み会」でも同様だ。

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要約公開日 2021.01.02
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