カイシャインの心得

幸せに働くために更新したい大切なこと
未読
カイシャインの心得
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幸せに働くために更新したい大切なこと
著者
未読
カイシャインの心得
著者
出版社
出版日
2020年06月20日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

「がんばるな、ニッポン。」というキャッチフレーズのテレビCMに驚いた人も多いのではないだろうか。新型コロナウイルスの収束の見通しが立たない中で、テレワークを推奨しているサイボウズのCMである。サイボウズは、クラウドベースのグループウェアや業務改善サービスを提供する会社だ。

「がんばらない」ことをすすめるサイボウズは、どんな企業なのだろうか。本書の著者はサイボウズの副社長であり、「100人100通りの人事制度」づくりの発起人でもある山田理氏だ。

「100人100通りの働き方」を実現しようとしているサイボウズには、「こうすべき」という唯一の答えはない。すべての人に共通する、幸せな働き方や楽しい仕事は存在しないからだ。そうはいっても、自分の働き方を自分で決めるというのは、案外難しいものではないだろうか。さらに、自分が望む働き方が社会に受け入れられるのかという不安もある。

本書は、自分はどう働けばいいのかと悩む若い人に向けた指南書である。自分の働き方を見つけ、それを実行するための方法や、不安と疑問に対する向き合い方が記されている。

今、新型コロナウイルスの感染拡大により、働き方に大きな変化が起きている。時代の変化に不安を抱えている人も多いだろう。若い人ばかりではなく、これからの働き方に悩む人にとっても、大きなヒントになる一冊だ。

ライター画像
中山寒稀

著者

山田理(やまだ おさむ)
サイボウズ株式会社取締役副社長 兼 サイボウズUS社長。
1992年日本興業銀行入行。2000年にサイボウズへ転職し、取締役として財務、人事および法務部門を担当。初期から同社の人事制度・教育研修制度の構築を手がける。
2007年取締役副社長 兼 事業支援本部長に就任。2014年グローバルへの事業拡大を企図しUS事業本部を新設、本部長兼サイボウズUS社長に就任。
同時にシリコンバレーに赴任し、現在に至る。
著書に『最軽量のマネジメント』(ライツ社)がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    これまでの「常識」では、常にがんばってステップアップすることを要求されてきた。だがこれからは、「できないこと」を克服して成長するよりも、「できること」をベースに自分の仕事を継続していくことが当たり前になる。
  • 要点
    2
    自分が「できること」と相手から望まれる「やるべきこと」が重なると、仕事になる。
  • 要点
    3
    自分の働き方は、自分の幸せを基準にして選ぶべきだ。そして、選んだからには、人のせいにしないで努力しよう。

要約

常識が非常識になる時代

苦手を克服するより、得意を生かす
recep-bg/gettyimages

今、これまでの常識が非常識になりつつある。たとえば、「仕事において、人は我慢や成長をすべき」というのが、今までの常識だ。特に若い人は、常にがんばってステップアップすること、つまり「できないこと」を補完する成長が期待されてきた。

しかしこれからは、「できること」をベースに自分の仕事を継続していくのが当たり前になっていくだろう。プレゼンが苦手な人は、プレゼンの練習に時間を費やすよりも、プレゼンが得意な人を見つけてきて任せることを選ぶ。その上で、自分がもともと得意なことに集中したほうが、チームとしてのアウトプットは大きくなるはずだ。

すでにまわりから評価されている人は、そのスキルをもっと磨けばいい。そうでなくても、なにか得意なことがあるはずだ。「得意」といっても、誰かと比べる必要はない。「ありがとう」と言ってもらえるようなことであれば十分だ。

カイシャインの3つの心得

サイボウズの副社長である著者は、あるとき、新入社員から個人のツイッターのプロフィールについてダメ出しをされた。そこで、その新人にプロフィールの改善を任せてみたところ、フォロワーが一晩で倍以上になったのだ。すかさずほかの若手社員から、「アカウントが注目されているから、面白いことをつぶやきましょう」と促される。SNSのお作法を体得しているミレニアル世代をリスペクトせざるを得ない出来事であった。

昭和の時代の常識では、新入社員が副社長に向かってダメ出しをするなんて、あり得ないことだ。だが今、サイボウズの社員は、社内のグループウェアを使って、誰にでも直接、言いたいことや疑問に思うことを伝えられる。それならば、若い人から情報を教えてもらったり、若い人に任せてやってもらったりすればいい。今の時代、経験が浅くても、「自分のほうがうまくできる」と思うことがあれば、上司や先輩を助けることができるのだ。

自分の個性を生かして幸せなキャリアを築いていくためには、次の3つがベースになる。これこそが、これからの社会人、つまりカイシャインの心得だ。

(1)「できる」×「やるべき」から始める(「やりたい」は後からついてくる)

(2)自分の幸せをゴールに選択する

(3)質問責任を持つ

【必読ポイント!】好きなことを仕事にするには?

「やりたいこと」より「できること」
filadendron/gettyimages

「なにになりたいんだ?」「夢はなんだ?」と聞かれることがあるだろう。だが、いきなり「自分のやりたいこと」を起点に仕事をしようとしても、たいていはうまくいかない。やりたいことがあっても、それをこなす力がなかったり、それを求めるお客さんがいなかったりすれば、仕事にはならないからだ。そこで若い人にすすめたいのが、

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要約公開日 2020.12.15
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