オフサイトミーティングとは、「Site(場所)」を「Off(離れる)」という言葉通り、場所を変えて会議を行なうことをさす。著者らは「オフサイト」という言葉の解釈を広げ、「場所を変える」ことよりも、「日頃の当たり前や立場を離れて考えること」に重きを置いている。
オフサイトミーティングの第一のコンセプトは、「気楽でまじめな話し合い」ということだ。リラックスした雰囲気でありながら、普段話さないような言いにくい話やまじめな話などの「自分が大切だと思うことを口にできる場」をめざす。
もうひとつのコンセプトは、オフサイトミーティングは「道具」であり、「手段」であるということだ。組織やチームが実現したい成果によって、さまざまなシーンでの活用が可能である。
経営方針の背景情報、現場の最前線で働く人が感じとる感覚情報、ふだんは言いにくい問題意識……人の集まるところには、文字で文書に表しにくい「非データ系情報」があふれている。データ系情報をしっかり扱えば、組織の知的資産が豊かになる。
だからオフサイトミーティングでは、ライブ感を重要視し、あまり仕切りすぎないようにすることが重要だ。あらかじめ落としどころを決めず、その場で出てきた意見の積み重ねを大切にする。何が起こるかわからないドキドキ、予想もしなかったようなことが生まれるかもしれないワクワク。そういったライブ感を思い切り楽しめば、話し合いはより楽しく、意味あるものになる。
本書では、著者らが従来型の会議とは違った雰囲気をつくり出すためによく使っている5つの工夫が紹介されている。そのうち本要約では、「『気楽さ』の演出」を取り上げる。
日常業務から離れ、いつもの業務遂行モードから離れた思考をするには、非日常感を演出する「移動」や「転地」が効果的だ。予算がある場合には、自然あふれる場所を選ぼう。海が見えるところや森の空気が吸えるところ、焚き火を囲んで話し合えるところもいい。
遠くに行けないなら、
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