人生100年時代と言われて久しい。仮に90歳まで生きるとした場合、中間点の45歳を境にして人生は大きく6つに分けられる。前半は0~10歳の「育成期」、10~25歳の「学習期」、さらに25~45歳の「加速期」である。そして後半は45~65歳までの「安定期」、65~80歳までの「円熟期」、80~90までの「静活期」となる。
ここからわかる通り、ビジネスパーソンとして働けるのは40年あまりと、実は短い。だからこそ、常に自分の現在地を把握しておきたい。例えば、あなたが現在35歳なら加速期の折り返し地点にいることになる。残りの加速期の10年をどう過ごすか。人生を有意義なものにしていく方法を考えなければならない。
自分で人生の舵取りができているか。この問いに真正面から「Yes」と答えられる人は意外と少ない。上司とそりが合わない、会社の体質が古い、本意ではない異動を命じられた。このように、人は自分以外のものに責任転嫁しがちだ。日本社会では、新卒一括採用にはじまり、配属や異動、評価など、自分の意志とは別のところで自身の行く末が決まることも多い。常に「誰かにしてもらう」立場に立たされており、主導権を握る機会が少ないといえる。だが、他責の思考でいては、人生も転職もうまくいかないだろう。
ではどうすればいいのか。転職で成功する人の共通項として、「与えられた目標で満足しない人」という点がある。たとえ会社から与えられた目標を上回ったとしても、自分が想定しているものを超えられなければ喜べない。彼らは常に当事者意識を持ち、自分の可能性を伸ばそうと努力する。こういう人こそ、自分の人生を舵取りできているといえる。
転職でキャリアを切り開くために有効なのが、「10年後の自分を想像してみる」ことだ。「明日だってわからないのに10年後なんてわかるわけない」と思うかもしれない。そんな場合は、まず10年前を振り返るとよいだろう。10年前どんな仕事をして、どんな成果を出し、どんな課題を抱いていたのか。振り返ると何かしらの気づきを得られるうえに、10年という月日が決して長くはないと感じるはずだ。
もしこのままアクションを起こさなければ、次の10年も同じような流れで進む可能性は高い。理想の10年後に向けて足りないものがあれば、それを把握し、未来を具体的に描いておく必要がある。10年先の未来が想像しにくければ、3年先でもよい。3年後にどうなっていたいかをリアルに考えていくのだ。
「なりたい自分」がわからない場合はどうすればいいか。そんなときは自分の人生をエピソードで振り返ってみるとよい。小学校の頃、大学時代、新入社員時代、それぞれに酸いも甘いもいろいろな経験があるはずだ。その中で自分が得意だったこと、褒められたことを思い出してみよう。そうすることで、自己への信頼を覚醒させ、自分の存在価値を再認識できる。自身の強みを認識していることの効果は大きく、それが不安に打ち勝つ原動力となるはずだ。
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