仕事の経験やスキルが同程度だったとしても、「うまくいく人」と「うまくいかない人」がいる。二者の違いは「本当の自分を正しく理解して、自分にぴったりの居場所を見つけられたかどうか」だ。うまくいく人は、自分にとって大事な価値観を満たし、自分の強みを活かして活躍できる居場所を選んでいる。
逆に、自分の価値観や強みがわかっていなければ、自分に合わない職場やコミュニティでも我慢し続けてしまうだろう。他人の強みにばかり目がいってしまい、嫉妬や自己否定の感情で苦しくなってしまうこともある。
「頑張っているのに、なぜかうまくいかない」という悩みの原因は、自分が幸せになれる居場所の見つけ方を知らないことにある。自分の「大切にしたい価値観」や「強み」を知り、その両方を満たす「居場所」を手に入れよう。
本書では、「居場所」を「価値観が満たされ、強みが活きる環境」と定義する。公式にすると「居場所=価値観×強み」だ。価値観と強みのどちらかがゼロになると、居場所もゼロになってしまう。価値観と強みは、バランスよく満たすことが重要なのだ。
ここで「お給料を上げるために、仕事で評価されたい」と願う営業事務のAさんのケースを見てみよう。Aさんは「先を見通す力」という強みを活かして担当営業のサポートに尽力した。その結果、担当営業の成績が上がり、Aさんの社内評価とお給料も上がりそうだ。「お給料を上げるために、仕事で評価されたい」という目的は達成である。
それなのに、Aさんはモヤモヤしている。Aさんの心の中に「誰かのサポート業務ではなく、自ら先頭になってバリバリ働きたい」という気持ちがあったからだ。
Aさんのケースのように、価値観の自己分析ができていないと、いくら強みを活かすことができても、充実感や幸福感が満たされないままだ。一方、自分の本音に気づくことができれば、転職を考えたり、自分が望む業務を任せてもらえるよう働きかけたりすることもできる。そうなれば、充実感や幸福感が増していくだろう。
本書では、自分の価値観や強みを知る「本当の自己分析メソッド」を4ステップで解説している。要約ではそれぞれの概要を紹介する。
「本当の自己分析メソッド」のステップ1は、自分を見る「メガネ」を磨くことだ。この作業によって、「本当の自己分析」を阻むマインドブロックをなくす。
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