努力が報われる人は努力を手段に過ぎないと考え、報われない人は努力を正義だと考える。
頑張っている姿は美しいものだが、がむしゃらに努力すればいいわけではない。「自分は何を成し遂げたいのか」「そのためにはどうすればいいのか」を整理した上で、必要なら努力しよう。自分がやらなくていいことや、自分ではどうにもならないことに時間と労力を費やすのは「正しい努力」とはいえない。テクノロジーを活用したり、周りにいる人にお願いしたりしてやってもらう方がいいこともある。
努力は単なる手段だ。ムダな努力は捨て、もっと有意義なことに時間を使おう。
努力が報われる人は過去形で自分をイメージし、報われない人は未来に不安を抱く。
心理学では、将来の自分をはっきりとイメージすればするほどモチベーションを維持しやすいと証明されている。1年後の自分はどういう自分になっているか、目標を達成した先にどういう自分がそこにいるのか。イメージが明確であればあるほど、そこに向かっていく力は強くなる。
たとえば「お酒をやめて、健康になる」という目標があったとしよう。目標達成したい気持ちはあっても、いま健康上の課題があるわけでもなければ、なかなかモチベーションが湧きにくいのではないだろうか。それならば「お酒に費やしていたお金を貯めて、ハワイ旅行に行く」という目標の方がワクワクできて、禁酒するモチベーションになる。目標を立てるときには、達成後の自分にワクワクすることが欠かせないのだ。
将来の自分を「過去形」で考えるのもおすすめだ。目標を達成した自分という未来から今を見つめると、モチベーションが湧いてくる。
著者は受験生のとき、志望大学のキャンパスで勉強している自分の姿を何度もイメージした。「あの大学に入りたい」という未来形ではなく、すでに合格した自分という「過去形」にするのがポイントだ。こうして「自分は確かにこの大学に行くんだ」という感覚を受験前から自分に植え付けていた。
目標を達成した自分をイメージすると、モチベーションが湧いてきて、つらいときも心が折れずに済むだろう。すでに目標を実現している人たちを見たり、目標としている場所に足を運んで現地の空気を体感したりすると、より効果的だ。
努力が報われる人は誘惑と戦わず、報われない人は誘惑との戦いを制しようとする。
誘惑に勝とうとする努力はムダだ。カールトン大学の調査によれば、目標の達成率は誘惑物との接触回数に反比例するという。つまり、目標を達成したいなら、誘惑に勝つのではなく、できるだけ誘惑物との接触を減らすことがカギとなる。ダイエットしている人なら、余計な食べ物を家に置かないようにするのが一番だ。
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