私たちは、自分と似ている人を好きになる。年齢、出身地、出身校、ペット、好きな芸能人……共通点はなんでもいい。心理学では、共通点が多くなるほど、お互いに好意を抱きやすいことがわかっている。
この現象は「思い込み」でも起きる。「あの人と私は○○の点で似ている」と思い込むと、相手に魅力を感じやすくなるのだ。たとえば、お互いにスポーツが趣味だとしよう。片方はかなり本気で取り組んでおり、もう片方は月に1回ほどだとしても、本人たちが「似ている」と思うのなら、お互いに親しみを感じる。
親しくなりたい人がいるなら、その人と自分の共通点を探ろう。共通点をくり返し伝えていれば、相手も自分に魅力を感じてくれるようになるかもしれない。
人に好かれる人は、会話のキャッチボールがうまいものだ。絶妙のタイミングで相づちを打ったり、相手の発言をうながすような質問を入れたりしている。
フローニンゲン大学のナンキー・クーデンベルグは、72名の男女を集めて、5分間、「休日の過ごし方」というお題で会話をしてもらった。ただし、お互いに別室におり、相手の姿は見えない。
このとき、普通に会話ができる条件と、相手の声が聞こえるまでに1秒のラグ(遅延)のある条件に分けられた。後者の条件は、わずか1秒のラグとはいえ自然な会話にはならない。
5分後にお互いの印象を尋ねてみると、会話がスムーズにできた条件では、「波長が合う」「一体感を感じる」という評価になった。一方、ラグが発生する条件では、逆の評価だった。相手に好かれたいなら、テンポよく相づちを打つよう心がけるといいだろう。
口下手の人は、相手に質問する項目をあらかじめ準備しておくのも一つの手だ。
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