あなたは誰かから悪口や皮肉を言われたとき、どんな態度をとるだろうか。何も言い返さず、「いい人」でいようと努力する人もいるだろう。だが実はそういった態度をとっていると、周りから魅力的だと思われなくなってしまう。
人間には「自分だけは安全でいたい」という基本的な欲求がある。そのため目の前で不当に不幸にさらされている人がいると、「この人は能力的に劣っているから不幸な目に遭っているのだ」と正当化しようとし、自分だけは大丈夫だと考える。このことから、「いい人」を演じ続けたとしても、それが長所として評価されることはないどころか、むしろ「魅力のない人」とみなされてしまうのである。イヤなことを言われたら、スルーするのではなく、ある程度は抵抗すべきだ。
ある程度の抵抗は必要とはいえ、相手を傷つけることはおすすめできない。その後の人間関係にしこりが残ると、かえって大変だからだ。
おすすめは、やられたらやり返す「しっぺ返し」戦略だ。自分からは決して裏切らず、相手に裏切られたら一度だけやり返す。これが反撃の基本ルールだ。
心理学者・リトルペイジらの実験によると、5人程度のグループでの議論においては、「もっとも多く話していた人の意見」が通りやすいことがわかった。といっても、もっとも多く話していた人が知識豊富だったわけでも、その意見に強い根拠があったわけでもない。たくさん話す人ほど豊富な知識があるとみなされ、信頼性が高まったのだろう。
このことから、口ゲンカに勝つには、自分の口数を増やし、相手の口数を減らさせる戦略が有効だ。相手の勢いを削ぎ、リズムを狂わせれば、あなたのほうが有利になる。
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