心配ごとを手放すためのヒントは、「心配には実体がない」と知ることだ。
実体がないにもかかわらず、私たちは心配ごとに多くの時間をとられている。しかも、心配に心を奪われている間は、誰も“今”に目を向けていない。逆に言えば、常に“今”に焦点を当てる練習をすれば、心配ごとを手放すことができる。
心配ごとに心を奪われていると、答えを探し続けて、身動きがとれなくなってしまう。そんな状態に陥ったら、ひとまず答えを出してしまおう。「大丈夫」「なるようになる」と口に出して、未来のことはそれ以上考えないようにする。すると、視線が未来から“今”へと引き戻されて、目の前にあるモノ、コトに集中できる。
すべてのものは常に移り変わっていて、一瞬として同じ時はない。この意識を持つと、“今”の尊さに気づくはずだ。先ほどの一瞬は二度と戻ってこないし、今この瞬間にも私たちは次の一瞬を迎えている。
この貴重な一瞬を、ありもしない未来の妄想に費やすのはもったいない。「どうあがいたって、なるようにしかならない」というポジティブな心構えでいたいものだ。
誰しも「自分はこういう性格」「昔も同じような失敗をした」といったように、物事を自分の経験値で見ることがある。だが、過去を基準に物事を考えると、「私は根気がないから、次の職場も合わないかも」などと心配ごとの種がどんどん増えていくものだ。
そうした負のスパイラルに陥らないよう、毎日を「新しい心」で生きるようにしよう。過去や未来にとらわれることなく「赤ん坊の心」を保つようにする。
雨が降ったときに「嫌だな」と思うのは、過去の経験と重ね合わせて今日の雨を見ているからだ。雨の日も風の日も同じ一日なのだから、目に映るまま、ありのままに今日という日を受け止めればいい。
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