自分は気にしすぎる、考えすぎる性格だと考える人は多いが、その原因は性格よりも「過去の何か」にあることが多い。誰かを傷つけて後悔した経験があると、相手を傷つけないように気を遣う。逆に傷つけられたことがあると、相手の言葉の裏を読むようになったりする。
でも、「気にしすぎる性格を直さないと」と思う必要はない。どんな気持ちが出てきても、自分を責めることはひとまずやめてみよう。それだけでも心や体が疲れにくくなるはずだ。
誰かと会った後に、相手の言葉や表情を思い出しながら、自分が言ったことを反省する「ひとり反省会」をしたことはあるだろうか。考えるほど自分が嫌になり、落ち込んでしまう。しかし裏を返せば、誰よりも相手の気持ちを考え、当時の会話を思い出せるほど丁寧に話していたことの証でもあり、「落ち込むほど一生懸命がんばった」ということだ。相手にとってのベストを考えて言葉を選べるという自分の良さを認めてあげることが大事である。
世の中には色々な人がいて、何をどうがんばっても「それはおかしい」と指摘する人は必ずいる。だからこそ、「自分だけは自分の味方になって『がんばったね!』と自分に声をかける」ことが重要だ。そうして自分を鼓舞することが苦手なら、自分を否定しないだけでも効果的である。「これくらいみんなやっている」と思わず、「これはできた」という事実を認めよう。そうなれると、がんばれたという実感を徐々に得られるようにもなるだろう。
やる気が出ないと、自分を責めてしまう。でも、やる気は「やり始めると出てくるもの」なので、やる気が出ない状態はむしろ「ふつう」なのだ。
「やる気を出すためのコツ」は3つある。1つ目は「心からやりたいこと」なのか、「実はそこまでやりたくないこと」なのかをはっきりさせることである。「○○をやりたい!」と口に出した際、清々しい気持ちになるか、モヤモヤとした違和感があるかで判断できる。
2つ目は、心からやりたいことの場合は「○月○日○時から」と予定に組み込むこと。そこまでやりたくないことであれば、仕方ないなくらいの気持ちでさらっと始めるようにするとよい。
3つ目は、「とりあえず」というワードを活用することだ。やる気が出ないけれど英単語をマスターしたいなら「とりあえずテキストを開けばOK」という具合に、できることから始めるのがよい。
がんばり屋さんは、旅行や買い物、ヨガなど、「何かする」ことで、膨らんだストレスを解消しようとしがちである。しかし、そうした人の場合、「『何もしないこと』が一番のストレス解消になる」ことがあるという。
ストレスは心と体が緊張した状態だ。何もせず休むことで、心と体をほぐしてあげられることは多い。一人で何もしない1日を想像してみた時、「せっかくの休みなのにもったいない」と感じたり、不安になったりする人ほど、何もしない日が必要だ。「自分のストレス解消のために何もしないことは、何かすることと同じく立派な予定」なのである。
「何もしていないのに疲れる」ということはない。それは、何かについての考えごとや悩みごとで手いっぱいのサインである。
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