言いにくいことが言えるようになる伝え方

自分も相手も大切にするアサーション
未読
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言いにくいことが言えるようになる伝え方
出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン

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出版日
2023年01月27日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

あなたは、上司・部下やパートナー、友人など、さまざまな人間関係の中で、考えや意見を臆することなく伝えられる相手が何人いるだろうか。特に仕事相手とのコミュニケーションでは、つい言いたいことをがまんしていないだろうか。

言いたいことを飲み込んでばかりいると、日に日にストレスがたまっていく。ストレスはどんどん蓄積し、目の前のことに興味を持てなくなったり、自分らしさが発揮できなくなったりして、心身のバランスを崩してしまうことになりかねない。

そうはいっても、言いたいことをそのまま口に出していたら人間関係がうまくいかないよ――そう思ったあなたには、本書を勧めたい。日本アサーション協会代表の平木典子氏が、自分も相手もがまんしない「アサーション」というコミュニケーション術を教えてくれる一冊だ。

がまんしなくてもいいコミュニケーションでは、相手の言うことを黙って受け入れたり、自分の意見を無理に押し通したりすることはない。まずは自分の気持ちに目を向け、相手の立場を尊重しながら、気持ちを「言ってみる」。必要なのは「どちらの主張が正しいか」ではなく「対話を通じて何がわかり合えるか」を探っていこうとする姿勢だ。

もちろん、そうしたコミュニケーションは決して簡単なものではないが、本書を教科書として一つひとつ試してみよう。相手と生産的なやり取りができ、がまんから解放されて、自分らしい毎日を過ごせるようになるはずだ。

ライター画像
ヨコヤマノボル

著者

平木典子(ひらき のりこ)
1959年津田塾大学英文学科卒業後、ミネソタ大学大学院に留学し、カウンセリング心理学を専攻(教育心理学修士)。帰国後、カウンセラーとして活躍する一方、後進の指導にあたる。
立教大学カウンセラー・教授、日本女子大学教授、跡見学園女子大学教授、統合的心理療法研究所(IPI)所長を経て、2019年より日本アサーション協会代表。臨床心理士。家族心理士。著書多数。
日本におけるアサーション・トレーニングの第一人者である。

本書の要点

  • 要点
    1
    アサーションは、お互いを大切にするコミュニケーションだ。その基本は、自分もがまんせず、相手にもがまんさせないためにはどうすればいいのかを考えることである。
  • 要点
    2
    がまんしないための第一歩は、自分の考えや気持ちに目を向けることだ。そうすれば、相手の立場も考えつつ、伝え方を検討できる。
  • 要点
    3
    不本意なことや不愉快なことをされたり、言われたりしたとき、黙っていてもその気持ちは伝わらない。気持ちを言葉にして伝え、自分のことを相手にわかってもらう必要がある。

要約

がまんばかりしているあなたへ

部下に残業を断られたら?

仕事をしている人にとって、がまんは日常だ。

課長であるあなたは、部長から突然、明日の朝までの仕事を頼まれたとする。その仕事を担当したのは部下のAさんで、Aさんに頼めば、おそらく2時間程度で仕上げてくれるだろう。だが本人に声をかけてみると「今日は予定があるので、残業はできません」と言われてしまった。こうした場合、多くの課長は「自分でやる」という対応になるだろう。本当は手伝ってほしいけど、部下に無理強いはできない。がまんして自分でやろう……と、自分の本音にフタをしてしまう。

もちろん、会社のために一生懸命働くのはいいことだ。ただ、本音を言わずがまんしながら引き受けるのと、「手伝ってほしい」という気持ちを伝えた上で引き受けるのとでは、心理的な負担が大きく違う。

自分もがまんせず、相手にもがまんさせないためにはどうすればいいのかを考えながら、自分の思っていることを言ってみる。これが本書のテーマであるアサーション、お互いを大切にするコミュニケーションの基本だ。

がまんのリスク
maroke/gettyimages

本当は引き受けたくないけれど、断りにくいし、もめるのは嫌だし、生意気だと思われたくないから「思い」を抑えてがまんする。このようながまんや抑圧は、それと気づいている分、まだましかもしれない。

問題なのは、無意識のがまんだ。積極的にやりたいわけではないが、やってやれないこともないから……。こういうスタンスで仕事を引き受けてしまう人は、実は無意識のうちにストレスをためてしまっている。

がまんしていることに気づかなくなると、うつになったり、暴力的になったりするおそれがある。自分の行動をコントロールできなくなる前に、がまんに気づき、自分の本当の「思い」に意識を向けよう。そのための心強い味方として、アサーションがあることを覚えておいてほしい。

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要約公開日 2023.05.15
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