本書は、お金の増やし方の名著100冊を読み込み、それらに共通するノウハウを1冊にまとめたものだ。洗い出したノウハウを「掲載されていた本の冊数」によって順位付けし、冊数が多いほど大事なものだとして、「『お金の増やし方』大事な順ランキングベスト30」を紹介している。
要約ではそのうち、9個をピックアップして紹介していく。
お金の増やし方の名著100冊のうち、47冊に書かれていたのは「『分散投資』でリスクを減らす」だ。
分散投資とは、株式と債券、国内と海外など、複数の投資先に時間をずらして投資することを指す。分散投資によって、すべての資産が一度に減ってしまうリスクを抑えられる。
分散する対象は4つある。
1つ目は「資産の分散」。株式、債券、不動産、金(きん)など、種類の異なる資産を組み合わせて投資する。
2つ目は「銘柄の分散」。特定の銘柄ではなく、複数の銘柄に投資する。
3つ目は「地域の分散」。複数の国や地域、通貨に投資する。
4つ目は「時間(時期)の分散」。一度にまとめてではなく、投資するタイミングを分ける。
投資の世界には「卵をひとつのカゴに盛ってはいけない」という格言がある。全部の卵をひとつのカゴに盛ると、そのカゴを落としたときすべての卵が割れてしまうかもしれないが、複数のカゴに卵を盛っておけば、そのリスクを減らせるという意味だ。
投資も同じだ。1種類の資産や銘柄、地域、タイミングに投資した場合、それが暴落すると、投資したお金をすべて失いかねない。一方、投資する対象を分散させておけば、リスクも分散できるのだ。
2位は「『投資信託』で手堅く運用する」だ。100冊中43冊が投資信託の購入をすすめていた。
投資信託とは、投資家から集めたお金を使って、資産運用のプロが国内外の株式や債券などに投資・運用する金融商品のことだ。投資家は「どの銘柄に投資するのか」を資産運用のプロに一任し、その運用益から利益を受け取る。
投資信託にはさまざまなメリットがある。小さな資金から始められる、自分で銘柄を選ばなくていい、多くの銘柄に分散投資できる、種類が豊富である、運用状況を自分でチェックできる、などだ。一方、デメリットとしては、運用益が投資額を下回ることがある、短期間で大きな利益を出すのは難しい、などが挙げられる。
3位は「誰でもある『無駄な支出』を今すぐ減らす」だ。無駄な支出を減らしてお金を貯めるためのポイントは4つある。
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