世界トップクラスの「幸福度の高い国」デンマーク。おしゃれな北欧雑貨やメルヘンな街並み、充実した福祉制度、そして心地よさを意味する言葉「ヒュッゲ」など、デンマークは「豊かで幸せな国」というイメージがあるのではないだろうか。しかし、これはほんの一面である。
実はデンマークはIMD(国際経営開発研究所)の調査において、2022年、2023年と2年連続で「国際競争力」世界1位に選ばれている。(日本は2022年が34位、2023年は35位であった。)
国際競争力ランキングは「経済状況」「政府の効率性」「ビジネス効率性」「インフラ」の4つのカテゴリーから評価されるが、デンマークは「ビジネス効率性」で4年連続1位を獲得している。(2023年の日本の「ビジネス効率性」は47位。)デンマーク産業連盟のアラン・ソーレンセンは、デンマークの高い国際競争力は「状況変化に対する企業の迅速な対応力、モチベーションの高い社員、高度なDX」によるものだと指摘する。つまり、デンマーク人は「時代のニーズを読み取り変化に対応する力がある」といえる。
ふだんはのんびりしているデンマーク人だが、いざ変化が起こったときは驚くような機動力を発揮する。「幸福な国」デンマークは、実はすごい「ビジネス先進国」なのである。
デンマークは「デジタル競争力」も群を抜く。電子政府ランキングでは2018年から3年連続ナンバーワン、そしてデジタル競争力ランキングは2022年に1位を獲得している。
デンマークはキャッシュレス社会であり、どこでもカード払いもしくはスマホ払いができる。最近では「カードレス化」も進んでおり、健康保険証や運転免許証の提示など、本人確認もスマホのアプリで対応している。
日本でもキャッシュレス化が進んでいるが、デンマークとは決定的な違いがある。それは、先進技術を取り入れる際、デンマークは古いシステムをバッサリと切り捨てるところである。
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