新しい教え方の教科書

Z世代の部下を持ったら読む本
未読
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Z世代の部下を持ったら読む本
著者
未読
新しい教え方の教科書
著者
出版社
出版日
2023年11月02日
評点
総合
3.5
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

上司部下の人間関係ほど、社会人を悩ませる問題はない。どの時代も、上司にとって部下の指導は心を砕くテーマである。とりわけ年の離れた世代の指導には苦労している方もいるだろう。管理職やリーダーの立場にある人は、「最近の若者は何を考えているのかわからない」と困惑しているかもしれない。飲みニケーションも誘いにくくなり、プライベートの話も踏み込んで聞きにくい。Z世代の価値観や考え方を知る方法が限られるなかで、彼らと信頼関係を築き、パフォーマンスを最大化させるよう迫られているのだ。

本書は、そんな悩みを抱えたマネジメント層のための人材育成方法の指南書である。20代後半ですでに欠かすことのできない戦力となっているZ世代は、デジタルネイティブであり、褒めて育てる教育が浸透した時代を生きてきた。彼らには彼ら特有の仕事観があり、人生観がある。

多様性の重視が当たり前の時代において、もちろん1人1人の個性と違いを見なくてはいけない。一方で、同じ世代を生きた彼らには共通点もある。情報収集が得意で、叱られることに慣れておらず、不透明な社会に不安を抱えている。彼らに寄り添い、彼らを理解することは、職場の活気や生産性の向上につながる。

Z世代を教えるマネジメント世代の指導力が、これからの日本企業の成長を左右する。取り組みやすいアクションや声かけから実践してほしい。彼らとの関係の築き方や職場の空気がより良いものに変わっていくはずだ。

ライター画像
Keisuke Yasuda

著者

北宏志(きた こうじ)
(株)ポールスターコミュニケーションズ代表取締役
人材育成コンサルタント

大学卒業後、立命館大学に関係する中高一貫校で6年間社会科教諭として勤務。その後、「ララちゃんランドセル」を製造・販売する(株)羅羅屋に転職。中国での3年間の駐在中は経営幹部として部下80名を束ね、中国国内の売上を3年間で9.7倍に拡大させ黒字化させる。帰国後、日本とアジアの架け橋となり、教育をより良くしていきたいという思いから、人材育成コンサルタントとして独立。
現在は、Z世代の若手社員の研修を中心に全国35都道府県で600回以上の登壇実績を持ち、これまでの受講生は17,000名を超える。受講者にやる気スイッチを入れる熱血講師として定評があり、「研修業界の松岡修造」の異名を持つ。大手企業や各種団体から依頼される研修・セミナーのリピート率は90%を超える。離職率低下の実績も多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    Z世代は仕事観において自己選択・プライベート・安定性の3つを重視する。自分事化できる役割と環境を用意し、コスパ・タイパの良い業務を任せることが、モチベーションの向上に効果的だ。
  • 要点
    2
    Z世代には、「一から十まで」丁寧に教える。仕事の優先順位付けでは、やるべきことだけでなく「無駄だと思うこと」を書き出させる。
  • 要点
    3
    言いづらいことを指摘するときのキラーフレーズは、「あなたの成長のためだから」。
  • 要点
    4
    職場再建の三原則と5Sを徹底すると、素直で実直な人が育っていく。

要約

Z世代のホンネ

Z世代の不満の要因

これまで部下の指導方法を学んだことはあるだろうか。

多くの日本企業では、マネージャーになったときに会社のルールや評価の仕方を研修で学ぶ。しかし、これらは指導ではなく、管理の方法だ。この状況下では、多くの人は自分の上司を参考に指導することになる。会社の言うことが絶対だった時代ならまだしも、今は令和だ。Z世代、ゆとり・さとり世代と呼ばれる部下たちに、かつてのやり方は通用しない。

著者は、Z世代の若手社員研修を担う人材育成コンサルタントとして活動している。中高一貫校で6年間社会科教諭として勤めた経験があり、当時の教え子たちの一部はZ世代の部下を持っている。今でも教え子たちの話を通じて、若い世代の考え方に驚くことがよくある。Z世代の部下たちに、上司の意図がきちんと伝わっていないと思うシーンも多い。その要因のほとんどがコミュニケーション不足にある。本書では、そうした課題に対応した、令和時代の「教え方」を伝授する。

Z世代の3つの仕事観
chachamal/gettyimages

Z世代は1990年代中盤から2000年代終盤、または2010年代序盤までに生まれた世代を指す。彼らは今中学生から20代後半にあたり、すでに会社で欠かすことのできない戦力になりつつある。著者は職業柄、多くのZ世代のメンターを務めている。その中で感じた彼らの仕事観が3つある。

(1)自分に合った会社や仕事は自分で選ぶことができるし、選べる世の中である

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要約公開日 2024.03.27
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