ChatGPTを使い尽くす! 深津式プロンプト読本

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ChatGPTを使い尽くす!  深津式プロンプト読本
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ChatGPTを使い尽くす!  深津式プロンプト読本
出版社
出版日
2024年08月13日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

「ChatGPT? 試しに使ったことはあるけど、期待したような答えが返ってこないんだよね」。そのような人に、本書をおすすめしたい。

要約者も誤解していたが、期待通りの回答を引き出すにはそれなりのテクニックが必要だ。単に「〇〇について教えて」や「魅力的なキャンペーンを考えて」といった大雑把なプロンプトでは、方向性を絞ることができず、それなりの回答しか出てこない。

本書の言い回しを引用すると、ChatGPTは「非常に優秀だけど、融通の利かない新入社員」のようなものだそうだ。前提条件、制約条件、回答の方向性などを明確に指示しなければ、質問者の意図を汲み取ってはくれない。では、どのようなプロンプトを入力すればいいのだろうか?

そんな、読者の痒いところに手が届く情報を提供してくれるのが、本書である。著者・深津貴之氏が考案した「深津式プロンプト」は、ChatGPTの特性をよく理解した上で作られたプロンプトだ。このテクニックを使うことで、ChatGPTはより精度の高い回答をし、期待した以上の働きをしてくれるだろう。さらに使いこなせるようになれば、アイデア出しや情報整理、レポート作成、問題解決など、多くのビジネスシーンで活用できるに違いない。

要約では、「深津式プロンプト」のフォーマットと、その応用テクニックを中心に取り上げる。何事も基本が肝要だ。まずは基本をマスターしてから応用の範囲を広げていけば、「ChatGPTを使いこなせた!」という手ごたえを感じることができるだろう。

著者

深津貴之(ふかつ たかゆき)
インタラクションデザイナー。株式会社thaを経て、Flashコミュニティで活躍。2009年の独立以降は活動の中心をスマートフォンアプリのUI設計に移し、株式会社Art&Mobile、クリエイティブファームTHE GUILDを設立。現在はnoteのCXOなど、領域を超えた事業アドバイザリーを行う。執筆、講演などでも精力的に活動。

岩元直久(いわもと なおひさ)
ITジャーナリスト/ライター。慶應義塾大学理工学部卒業、同大学院修士課程修了。日経BPでIT、PC系を中心にした雑誌、Web媒体で記者、副編集長を歴任。独立後はコンシューマー向けからエンタープライズ向けまでIT関連を中心にWeb、雑誌、書籍など幅広く執筆する。近著に「Office365 Teams即効活用ガイド」「Microsoft Power Automateかんたん活用ガイド」(日経BP)がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    ChatGPTは「手前の文章に続く文章を確率的に予測する機械」である。良い回答を得るには、この特性を理解して指示を出す必要がある。
  • 要点
    2
    「深津式プロンプト」は、「ロール」「コンテキスト(文脈)」「制約条件」「出力フォーマット」「プロセス」の5つの要素で構成される。このフォーマットに則ったプロンプトを作成すれば、ChatGPTからより精度の高い答えを引き出すことができる。

要約

ChatGPTの基本

ChatGPTとは

ChatGPTは米国のOpenAI社が開発した対話型AIだ。大規模言語モデル(LLM)という技術を使っており、「人間の普通の言葉」で高度なコンテンツ生成や複雑な作業をしてくれる。

これまでもチャット形式のAIサービスは存在したが、高度な施策は不可能だった。プログラミングスキルが不要で誰でも使えるため、世界中で爆発的な広がりを見せている。

ChatGPTを使うには、ChatGPTのWebサイトにアクセスして会員登録をする必要がある。無料プランと有料プラン(ChatGPT Plus、月額20米ドル)から選べるが、著者は有料プランを勧めている。

ChatGPT Plusでは最新モデルのGPT-4oや画像生成AI、GPTs、プラグインなどの機能を利用することができるが、無料プランは高度な機能が利用不可、または制限されている。

ChatGPTを使って仕事を効率化できれば、月に20ドルの出費は決して高いものではないはずだ。

ChatGPTは「確率で続きを書く機械」
Maria Stavreva/gettyimages

これまでAIは、ものを分類・識別したりパターン予測をする「分類器」として使われていた。りんごとみかんを見分ける、パターンを予測する、といったものだ。

一方、生成AIは分類だけでなく、画像や音楽、文字などをコンテンツとして作り出すことができる。「コンテンツを作れる」という点において、これまでのAIとは大きく異なっている。

ChatGPTで採用している大規模言語モデルは、入力した文章の続きを生成するAIだ。つまり、このAIに対話型(チャット)の入出力インターフェースが付くことで、人間の言葉でAIに直接指令を出すことができるようになったのだ。

では、ChatGPTは人間の言葉をどう理解し、質問に回答しているのか。ChatGPTは、インターネットなどから大量の文章を集めてトレーニングをしている。具体的には、「手前の文章に続く文章はどのようなものかを予測させる」というものだ。つまり、ChatGPTは「確率で続きを書く機械」なのである。

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要約公開日 2024.11.07
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