人の話を聞かずに自分ばかり話す人。指摘されても「自分が正しい」と言って聞かない人。そんな「自己中心的な人」はたいてい、自分に問題があるという自覚がない。だから「アナタは間違っている」と指摘したところで、関係が険悪になるだけだ。
著者のおすすめの対応法は「私(I)」を主語にした「アイメッセージ」を使ったコミュニケーションだ。「アナタは間違っている」という「アナタ」を主語にした「ユー(You)メッセージ」では、なぜそう言われないといけないのかと反発されやすい。「〇〇されると悲しくなるよ」「〇〇してくれるとうれしい」と、相手の行動を具体的に示して、自分はどう感じるかを伝えるといい。それだけで、相手も素直に受け止めやすくなるはずだ。
「枠組み設定」は、精神科医も使うテクニックだ。通院頻度や服薬の量など、患者さんとの治療関係には一定のルールがある。だから、「このルールが守られないと治療できませんよ」という「枠組み」をあらかじめ設定しておくようにするのだ。同じように、自己中心的な人と接する時には、相手の行動で許容できないことを伝え、それが守られなければ対応しないとはっきり言っておくことが有効だ。明確な「枠」を設けておくことが、身勝手な相手に対処する上でも効果を発揮する。
口を開けばグチばかり。アナタが言葉をかけても「でも」「だって」と言って聞き入れない。こんな人はズバリ「私のグチを聞いてほしい」だけだ。グチを話すことでストレスを発散したいだけの相手なら、自分が疲れないための対処法を考えよう。
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