トップ営業の気くばり

「あなたから買いたい」と言われる47の秘訣
未読
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トップ営業の気くばり
出版社
明日香出版社

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出版日
2024年05月27日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

日本の大学や専門学校に詳細な営業メソッドを教える課程がないことを不思議に思っていたが、本書を読み、その疑問が氷解した。営業という仕事は知識と経験に基づいた職人技のようなものだから、体系立って教えることが甚だ難しいのだろう。

本書は伊庭正康氏が営業に必須の「気くばり」をまとめたものである。伊庭氏は「営業の強い会社」として定評のあるリクルートグループで法人営業に従事し、プレイヤー部門とマネージャー部門の両部門で年間全国トップ表彰を何度も受けたのち、研修会社を設立して年間200超のセッションを行ってきた。『できる営業は、「これ」しかやらない』などの著書を読んだことのある人も多いはずだ。

冒頭では「営業としての『気がきく度チェック』」として、「信頼される力」「心をつかむ力」「売れる力」「愛される力」「頼られる力」に紐づく項目が用意されている。自分に足りない「力」を見つけて、それぞれに対応する章を読み進めればいい仕掛けだ。

また「はじめに」では、営業AさんとBさんの比較が示される。Aさんは、自分のペースで契約を進め、契約後は何のフォローもせず、追加サービスの案内ばかり送る。一方のBさんは、顧客の不安を感じ取って対応するだけでなく、契約後も相談に乗って、相手が困っているタイミングでフォローできる人物だ。

本書には、Bさんのような営業になるためのノウハウが満載だ。知識と経験が足りなくても、著者が惜しみなく明かすノウハウを実践すれば、「勝手に売れてしまう」営業になれるだろう。

ライター画像
荻野進介

著者

伊庭正康(いば まさやす)
(株)らしさラボ 代表取締役
リクルートグループ入社後、法人営業職として従事。プレイヤー部門とマネージャー部門の両部門で年間全国トップ表彰を4回受賞。累計40回以上の社内表彰を受け、営業部長、社内ベンチャーの代表取締役を歴任。
2011年、研修会社(株)らしさラボを設立。リーディングカンパニーを中心に年間200回を超えるセッション(リーダー研修、営業研修、コーチング、講演)を行っている。実践的なプログラムが好評で、リピート率は9割を超え、その活動は『日本経済新聞』『日経ビジネス』『The21』など多数のメディアで紹介されている。Webラーニング「Udemy」でも、時間管理、リーダーシップ、営業スキルなどの講座を提供し、ベストセラーコンテンツとなっている。
『できるリーダーは、「これ」しかやらない』『できる営業は、「これ」しかやらない』(以上、PHP研究所)、『「すぐやる人」のビジネス手帳術』(ナツメ社)、『仕事の速い人が絶対やらない段取りの仕方』(日本実業出版社)、『最速で仕事が終わる人の時短のワザ』(明日香出版社)など、著書は累計40冊以上。

無料メールセミナー(メルマガ):「らしさラボ無料メールセミナー」
YouTube:「研修トレーナー伊庭正康のスキルアップチャンネル」(登録者16万人超)
Voicy:「1日5分 スキルUPラジオ」も放送。

本書の要点

  • 要点
    1
    契約前だけ頑張るのではなく、契約後のアフターフォローに力を入れると、どんどん売上が上がる。
  • 要点
    2
    商談は、ラポール(うちとけた場づくり)→ヒアリング(本当の課題を確認)→プレゼン(解決策を提案)→クロージング(申込書をいただく)の流れで進めよう。自分の提案に結びつけやすく、7割程度のお客様が「言われてみればそうかな……」と答える仮説を事前に準備しておくと、提案の幅が広がる。
  • 要点
    3
    忙しいお客様に連絡する際には、「**が気になりまして、連絡をさせていただきました」と言えばいい。

要約

まず知っておきたい営業の「原理原則」

まず「営業基盤」をつくる

営業には3つの原理原則がある。

1つ目は、まず「営業基盤」をつくることだ。

営業でしんどいのは最初だけで、だんだん楽になっていく。お客様や見込客が増え、「営業基盤」が確立されて、自然と契約がとれるようになるからだ。

お客様から契約をいただける「営業基盤」をより強く、より早くつくるために必要なのが、本書で紹介される「トップ営業の気くばり」である。

お客様の言う通りにやってはいけない
alvarez/gettyimages

2つ目の原理原則は、お客様の言う通りにやってはいけないということだ。

たとえば、お客様から「安いプランでいいよ」と言われたとき、もっとも安いプランだけを提案するのはNGである。ここでの正しい対応は、「安いプランでいいよ」と言われた背景を尋ねることだ。

たとえば、風邪を引いたあなたがドラッグストアに薬を買いに行ったとしよう。

店員さんに「風邪薬ください。安いのでいいです」と頼み、「かしこまりました。こちらはいかがですか。480円で最安値です」と言われても、特に不満はないだろう。

一方、店員さんから「かしこまりました。ところで、いかがされたのですか?」と尋ねられ、「咳と鼻水が止まらなくて、困っています」「咳き込んで、夜も寝られない状態が続いています」と伝えたとしよう。それを聞いた店員さんから「では、お値段のことも考えつつ、しっかりと咳と鼻水を止めるということが大切ですね」と、効能と値段の異なる3種類の薬を案内されたら、単に最安値のものを勧められたときよりも満足するはずだ。

お客様の言うままに対応していては、相手を満足させることはできない。背景を伺い、きちんと解決できる方法を提示することが大事なのだ。

売上とは「信頼の総量」

3つ目の原理原則は、「売上=信頼の総量」であるということだ。

「自分の売上のために、お客様からお金をもらうのが申し訳ない」と思っている人もいるかもしれない。だが、売上の本質からすると、それは誤解だ。

お客様は、信頼できない商品を購入し続けることはない。お店に通い続けるのは、そのお店のことを気に入っているからだ。そうした信頼が集まって売上をつくっている。

お客様の信頼に応えるべく、もっともいい解決策を提案しよう。そう考えると、売ることへの罪悪感が消えるはずだ。

スマートなふるまいで「信頼される」

「些細な口約束」を守る

お客様との関係づくりに超オススメの行動は、「些細な口約束」を守ることだ。たったそれだけで、お客様のあなたを見る目が変わる。

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要約公開日 2024.12.28
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