『エコノミスト』誌の各分野のエキスパートたちが、それぞれの担当する分野で「未来はこうなる」というビジョンを提示した、2012年発行の書籍。様々な切り口から書かれているので、まずは自分の興味のある分野から読んでみるといいでしょう。特に国際情勢の変化について、人口動態がすべての未来予測の指標になると書かれているのに頷かされます。ちなみに本書によると、超高齢化の進む日本の将来は残念ながら暗いとのこと。日本のこれからを考えるためにも、一度は目を通しておきたい一冊です。
国際情勢を扱ったものからもう一冊。こちらは100年後とさらに大きく出ています。著者は「影のCIA」とも呼ばれるインテリジェンス企業トラストフォーの代表ジョージ・フリードマン。2009年に発行された本書は、2014年のクリミア危機を予測していたことでも話題になりました。地政学や歴史学を基盤に今後世界がどうなっていくのかを予測していく本書は、日本の成長に悲観的な『2050年の世界』と異なり、2030年には日本が再びアメリカの脅威になるとまで断言しています。切り口が違うだけでこうも予測が変わるのは興味深いですね。
東大准教授に教わる「人工知能って、そんなことまでできるんですか?」
未来について考えるうえで、テクノロジーの進歩について触れないわけにはいかないでしょう。ということでテクノロジーの分野でも特に熱い、人工知能を扱った本の中からこの一冊を選ばせていただきました。対談形式で話が進んでいくので、人口知能についてよくわからない人であってもすんなり読むことができます。「そもそも人口知能って何?」という初歩的な疑問から、「人口知能の発達により社会や人間はどう変わっていくのか?」という社会的な事柄まで扱われており、「SFのような世界がもうすぐそこまで来ているのかもしれない」と思わせてくれます。
テクノロジーの分野では、生命科学領域の発展も見逃せません。日本の平均寿命が今でもトップクラスなのはよく知られている事実ですが、科学の発展にともない、さらにこれから平均寿命が伸びるでしょう。本書は、老化を遅らせるためにどのような研究が行われているのかを概観し、それが社会にどのようなインパクトを与えるのか、医学と社会学の両方の視点から論じています。アメリカの事例が中心ではあるものの、高齢化現象による財政負担という問題に対し一人ひとりがどう立ち向かっていけばいいのか、日本でも参考になる箇所が多々あります。
最後の一冊は、これからの働き方についての名著を選ばせていただきました。テクノロジーの進歩により、数十年前からは想像もできないほど、現代人の働き方は多様になってきています。これからはさらにその変化は激しくなると言われており、必然的に求められるライフスタイルも変わってくるはずです。そんな未来において、望ましい働き方とは一体どのようなものか? を提示したのが本書です。こちら、どなたでも無料で要約が読めますので、「まだ読んでない!」という方はまずは要約からお楽しみくださいませ。