アイデア大全

創造力とブレイクスルーを生み出す42のツール
未読
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創造力とブレイクスルーを生み出す42のツール
著者
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著者
出版社
フォレスト出版

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出版日
2017年02月01日
評点
総合
4.5
明瞭性
5.0
革新性
3.5
応用性
5.0
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おすすめポイント

アイデアの泉のような書籍はこの世にいくつもある。だが本書は、あなた自身をアイデアの泉にしてくれるにちがいない。

まず、コンセプトがすばらしい。本書は実用書として十分に活用できるだけでなく、人文書としても十分楽しめるクオリティを誇っている。簡単に言えば、内容が濃いのだ。それぞれの発想法について、数ページしか割かれていないとはおよそ思えない出来である。

また、とても読みやすい(これは非常に重要なことである)。本書では42の発想法が紹介されているが、それぞれの難易度、用途と用例、レシピ(やり方)、サンプル(実例)、レビューが明記されているため、シチュエーションごとにどの発想法を用いればいいのかが、一目瞭然でわかるようになっている。イラストも効果的に散りばめられており、眺めているだけでも自然とワクワクしてくるのではないか。

著者のいうように、発想とは私たちの知的営為の最初に来るものだ。それゆえもっとも重要なものともいえる。正しく論を組み立てたり、構想を広げたり、現実化したりするのも、発想なしには成り立たない。

本書は、誰も見たことのない何かを生み出そうとする、すべての人たちのための道標だ。通読するもよし、気になったところだけ読むもよし。どのような使いかたをしても、あなたの心強い味方となってくれるだろう。

著者

読書猿 (どくしょざる)
正体不明、博覧強記の読書家。メルマガやブログなどで、ギリシャ哲学から集合論、現代文学からアマチュア科学者教則本、日の当たらない古典から目も当てられない新刊まで紹介している。人を食ったようなペンネームだが、「読書家、読書人を名乗る方々に遠く及ばない浅学の身」ゆえのネーミングとのこと。知性と謙虚さを兼ね備えた在野の賢人。

本書の要点

  • 要点
    1
    不愉快さを書き出すことは、気分をすっきりさせるだけでなく、発想の源にもなる。
  • 要点
    2
    ランダムで出た結果にあえて寄り添うことで、これまでにない行動や思考が生まれる。
  • 要点
    3
    行き詰まりを脱するためには、偉大な先人の思考と人生を模倣することが効果的だ。
  • 要点
    4
    シュルレアリスムは、あらゆる既存の関係を変更させることで、強烈な感動と詩的現実をもたらそうとする知的営みであった。
  • 要点
    5
    「無意識」というマジックワードを使わずとも、天啓を理解できる道は拓ける。

要約

【必読ポイント!】 0から1を生みだす

自分に尋ねる
Artsiom Kireyau/Hemera/Thinkstock

不愉快さは、書き出すことで発想の源にもなる。

「バグリスト」という手法は、イライラして何も考えられないとき、自分の発想を閉じこめるブロックを見つけたいときに、絶好の発想法だ。

やり方も実にシンプルである。まず、(1)紙かノートを用意して、タイマーを10分にセットする。次に、(2)不愉快なこと、嫌なこと(バグ)をとにかく書き出す。(3)10分経ったらそこで手を止め、(4)気分がすっきりしたところで、やる気をチャージし、やるべきことに取りかかる。そして、(5)書きためたバグリストのなかから1~2つ選び、その不愉快さを改善・解決することを考える。

イライラの種を書き出すことは、健康や幸福感を増進させることで知られているが、それだけでなく、創造力や発明力の着火剤にもなりうる。その意味で、継続的に新しい考えを必要とする人にとって、バグリストは習慣化すべきアクティビティだといえる。

バグリストに書かれた不満のなかには、簡単に解消できるものもあるだろうし、そうではないものもあるだろう。どれを選ぶかについては、2通りの考え方がある。

1つは「比較的たやすく解決できるものを選び出す」ことだ。私たちの資源や時間は有限であり、すべての不満を解決することはできない。ならば、解決しやすそうなものから潰していくべきという考えである。

もう1つは、「あえて大きな問題に着手したほうが、実は簡単に解決できる」という発想だ。ものの見方や問題のとらえ方が根本的に変われば、大きな問題というのは意外とあっさり解けることが多い。なにより、大きな問題に挑むことで、問題解決者としてのレベルを高める効果もある。

偶然を読む
Jupiterimages/PHOTOS.com>>/Thinkstock

「アイデアを生みだすのに躊躇する」「自分のクセや先入観にとらわれず、発想を広げたい」――そうしたときにぜひ試してみてほしいテクニックが、「ランダム刺激」である。

最初に、問題とは無関係な刺激を選ぶ。周囲の物音あるいは目に映るもの、デタラメに開いた本のページ、サイコロやランダムに引いたタロットなどがいいだろう。そうしたら、そこから刺激を受け取り、問題と結びつけて、自由に連想する。これを満足するまでくりかえす。

不確実性をわざと導入することで、不確実性の高い課題に対処するというアプローチは、伝統的な考え方に反しているように見える。しかし、これまでの慣れ親しんだやり方を打ち破るためには、どこかでその壁を越えなければならない。そうしたとき、ランダム刺激は、これまでのやり方を否応なく変更する強力なツールとなってくれる。

ランダムによってもたらされた結果に寄り添いつづけることで、今までとったことのない行動や思考が生まれてくる。そのなかに、これまで体験したことのない何かが発見できるかもしれない。そのすべてがうまくいくわけではないが、今までと違ったアイデアの種となるはずだ。逆に、出てきた刺激を受けとらず、自分好みのものが出るまで、流してしまってはならない。

ランダム刺激に慣れ親しんでくると、どのようなものでも発想の種にできること、つまりアイデアを生みだす人にとって、無駄な経験はないということが理解できるようになるだろう。

仮定を疑う

発想の前提や枠組みを壊し、新たな視点で問題を取り直すためには、「問題逆転」アプローチが有効だ。これは、(1)問題や課題、既存のアイデアを言葉で表現し、(2)言葉にした問題の一部を否定形や対義語に置きかえて<逆転>するところから始まる。

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要約公開日 2017.03.24
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