誰とでも3分でうちとける ほんの少しのコツ

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誰とでも3分でうちとける ほんの少しのコツ
出版社
かんき出版
出版日
2017年03月06日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.5
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おすすめポイント

土曜のお茶の間でお馴染みの長寿番組、王様のブランチ。人気コーナー「買い物の達人」でハッピ姿が印象的な、鈴木あきえ氏のトークに引き込まれた読者も多いのではないだろうか。同番組の司会者、谷原章介氏も「あきえちゃんは、質問に楽しく答えたくなる場作りの天才」と評するほどだ。10年のリポーター歴を持ち、スタッフからも一目置かれる彼女が、どんなゲストの心も和ませるトーク術を綴ったのが本書である。

さも昔からコミュニケーションが得意だったと思いきや、リポーターになりたての頃は人見知りで話ベタだったという。しかし、テレビの世界では、初対面の人ともテンポよく会話の掛け合いを求められるのが日常茶飯事だ。大御所俳優やタレント、お笑い芸人、アイドルなど、多種多様なジャンル、年齢のゲストと接する中で、著者は相手が気持ちよく話せる会話のコツを体得してきた。それも特別なコツではない。自己紹介に一言つけ加える、言いかえつっこみをする、スベったときのフォローの言葉を持っておくなど、一般の人でも今から取り入れられるものばかりだ。

リポーターならではの興味深い撮影エピソードとともに、相手に「もう一度会いたい」と思ってもらうための秘訣が、等身大の言葉で綴られている。彼女が編み出した会話の極意を職場や家庭で試していくにつれ、ささやかなサービス精神で、相手との距離をグッと縮められることを実感できるだろう。まるでエネルギードリンクのように元気いっぱいになれる本書を通じて、気持ちいいコミュニケーションのレパートリーを増やしていただきたい。

ライター画像
松尾美里

著者

鈴木 あきえ(すずき あきえ)
1987年3月生まれ。東京都出身。高校時代はチアリーディング部に所属。関東で2位、全国で5位に入賞という経験を持つ。
2004年に芸能界デビューし、グラビアをメインに活躍。2006年12月、「王様のブランチ」(TBS系列)リポーターオーディションで合格し、翌年2月から同番組のリポーターとなる。
2013年5月からは、「王様のブランチ」リポーターを兼務する形でレギュラーメンバーに昇格。番組内の人気コーナー「買い物の達人」では、ハッピ姿でゲストとの買い物・トークのロケを仕切る姿で知られている。大御所俳優やタレント、お笑い芸人、アイドルなど、どんなジャンル・年齢のゲストが相手でも場を盛り上げることができる抜群のトークセンスや、相手にイヤな思いをさせないつっこみなど、パワフルかつ巧みなコミュニケーション力に定評がある。最近では、NHKの生中継リポートなどに活躍の幅を広げ、幅広い年代から愛されている。
もともと人見知りで引っ込み思案だったため、リポーターをはじめた頃は失敗も多く、落ち込む日々を過ごしていた。「何をすれば相手に楽しんでもらえるか」「どうすれば相手との距離を縮められるか」を試行錯誤していくうちに、さまざまなコミュニケーションのコツを見つけ、現在では番組制作スタッフからも一目置かれるほどになった。
本書は、著者がこれまでの経験で発見し、磨いてきたコミュニケーションのコツや工夫についてまとめた、初の著書となる。

本書の要点

  • 要点
    1
    会話は準備が9割と心得て、初対面の相手の情報を事前に調べておけば、うちとけやすくなる。
  • 要点
    2
    言いにくいことを言うべき場面では、オブラートに包みながらも、クスッと笑ってもらえるような「言いかえつっこみ」をめざすとよい。
  • 要点
    3
    会話の最中に自分を引きで見ている別視点の自分を持てると、トラブルにも冷静に対処できる。
  • 要点
    4
    もう一度一緒に仕事をしたいと思った人には、その思いを大げさに自分の言葉で伝えるとよい。

要約

初対面ですぐうちとけるコツ

自己紹介は誰でも鍛えられる

人は話しかけてくれた人に好感を抱く。自分から話しかけるのは緊張するという人が多いため、会話のきっかけを生んでくれたこと自体に嬉しいと感じるからだ。

では自己紹介で相手に印象づける秘訣は何か。それは自分を知ることに尽きる。著者がリポーターを始めた頃、放送作家の鶴間政行氏から教わったのは、「私は〇〇です」といえるキャッチフレーズを20個以上書き出すということだ。著者の場合は「自称お茶の間のチアリーダー」などと、人から褒められるところや体の特徴、特技、出身地を掘り下げてキャッチフレーズを編み出したという。

自己紹介でアピールポイントを一言プラスするだけで、相手の印象に残りやすいだけでなく、その場が和み、グッと話しやすい雰囲気が生まれる。もちろん笑顔を添えることを忘れずに。

会話は準備が9割

仕事で誰かと初めて会う際は、事前に相手の情報を調べておくことが欠かせない。「はじめまして」の出会いが多いリポーターにとっては、下調べの有無が本番の出来を左右するといっていい。

そこで著者は出身地と趣味はできるだけマークし、対面時に共通点を伝えるようにして、相手に親近感を持ってもらうようにしている。入念な準備が、どんなボールでも投げ返す下地となる。

また、下調べや相手の観察を通じて感じたことを言葉にするのは、「あなたに興味がある」という証拠になる。話のタネを探す過程で、相手と会うのがいっそう楽しみになるため、良いことづくめだ。

会話を盛り上げる話し方のコツ

サービス精神を持って「言いかえつっこみ」の名人に
Tomwang112/iStock/Thinkstock

著者が王様のブランチのリポーターになってからの1、2年は暗黒時代だったという。ロケで話したコメントが、オンエアではことごとくカットされ、落ち込む日々。しかし、出演者がまずは楽しんでいないと、楽しさは伝わらない。「買い物の達人」というコーナーでいろんなゲストと話すうちに、何を言ったら相手が楽しんでくれるかを著者は意識するようになった。

時には言いにくいことを言うべき場面もある。そんなとき、オブラートに包みながらも、クスッと笑ってもらえるような「言いかえつっこみ」ができれば会話の上級者だ。言いかえつっこみで笑いを生めば、凍った空気もほぐれる。

言いにくいことを伝えるべきときは、他の言葉で言いかえられないか考えてみるとよい。うまくハマったときは心の中のモヤモヤも消えるはずだ。

言葉は工夫するほどおもしろい

話し上手になりたいなら、うまい人のしゃべりを観察し、自分ならどう切り返すかを考えるといい。リポーターの場合、言葉をうまく使えるかどうかが仕事の依頼の数と直結する。

とはいえ、オリジナリティに満ちた言葉をゼロから考えるのは難しい。そこで著者は、お笑い芸人のつっこみやアーティストの言葉など、自分が面白いと感じた表現を携帯電話のメモ帳に書きためている。そしてそれらを、自分流にアレンジして使っているという。

また普段から街行く人を、何か面白いたとえで表せないか考えるのも、言葉の引き出しを増やすのに役立つ。向こうからやってくる人を形容するキャッチコピーを考え、友人と言い合っていくのだ。もちろんポジティブな言葉でたとえるのが前提となる。こうした工夫次第で面白い表現をどんどん自分のモノにできるはずだ。

【必読ポイント!】 ピンチを乗り切るコツ

フォロー言葉でリカバリーを

言いすぎて相手を怒らせることやスベることが怖い。そんな恐怖を払拭してくれるのが、フォロー言葉である。

例えば年下の人に対し、親しい雰囲気作りのために、あえて敬語を使わずにタメ口で話しかけたとする。もしも相手が少しでもムッとしているようなら、「すみません、弟に似ていたもので!」などとフォロー言葉をいれるのだ。そうすれば場は和やかになり、リカバリーができる。

3カメの「引き」の自分を持つ
Nastco/iStock/Thinkstock

会話の最中に自分を引きで見ている別視点の自分を持てると、気持ちを落ち着かせ、トラブルにも冷静に対処できる。これを著者は「3カメの自分」と呼んでいる。

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要約公開日 2017.03.11
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