著者によると、自信とはずばり「自分で自分をどう評価しているか」、「自分という人間に対する思い込み」だという。つまり自信は絶対的なものでない。だからこそ、思い込みを変えることで自信を育める。
自分には価値があると肯定的にとらえるか、それとも否定的に自分をとらえるかで、見える世界も変わってくる。例えば肯定的な捉え方をしている子どもにとっては、世界は楽しいものであり、他人の価値も素直に認めることができる。一方、自信がない子どもは、何か新しいことにチャレンジするにも足踏みしてしまい、成功の喜びを感じにくい状況にある。
子どもの自信は、親子関係から育まれると言っても過言ではない。子どもは、ありのままの自分を認めてもらい、温かい愛情に包まれることで、人と真に関係性を築くことができていると確信し、それが自信となっていく。そしてこうした子どもとの関係を確立するのが、他の誰でもない親なのである。
人は、どんなに小さなことでも、自分で考えたとおりに行動して成功する中で、自信をつけていく。自信は字のごとく、「自ら信じる」ことで生まれるものであり、人から与えられるものではない。小さな成功を積み重ねることで自ら育んでいくものなのだ。
親ができるのは、子どもが自ら考え、粘り強く取り組めるようサポートすることである。困っていることはないかどうか常に気を配り、結果が出ていなくとも頑張っている事実を承認することは、子どもが自分で成功体験を積み上げるうえで非常に有効だ。このように、何があっても親は自分の味方でいてくれるという安心感が、失敗を恐れず物事に取り組もうという気持ちを後押ししてくれる。子どもを信じているということを、本人に積極的に伝えてあげるとよい。
子どもが困難にぶつかったとき、親にできることは2つある。1つは、できなくてもありのままの子どもを承認すること。もう1つは、子どもが自分の力で良い解決策を選べるように導くことである。
子どもが困っているとき、親はついすばやく解ける方法を教えたり、途中であきらめさせてしまったりすることがある。しかし、それでは根本的な解決にならない。例えば子どもが苦手な算数を克服したがっているのなら、宿題より易しい問題から解くよう導く、よい家庭教師を見つけるというのも手だ。
もちろん、子どもに「やりたい」という主体的な思いがなければ意味がない。本人の意思を尊重せずに親が決めたことは、それがどんなに子どものためを思ってのことだとしても、「やらされた感」につながってしまう。途中で投げ出しがちになるし、うまくいかないと人のせいにしてしまう。しかし、自分で選んだことであれば、仮にうまくいかなくても失敗を前向きに捉えられるし、何より成功したときに達成感を味わい、自信を築ける。親にできるのは「なぜそれを選んだの?」と質問して、決断の理由を明確にすることだ。そのうえで、いくらミスしても「よし、次、頑張ろう」と励ますことが、子どもの自信形成につながる。
選択理論では、子どもの成長、幸せ、成功を親子で分かち合うことを何より重視する。その土台となるのは、
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