国籍を問わず、外国語が堪能な人の勉強法には共通点がある。それは、好きなことしかせず、気乗りしないことは徹底的に「捨てて」いるということだ。
たとえば、ある中国人女性は、日本に一度も住んだ経験がなかったにもかかわらず、新卒で東京のコンサルティング会社に就職し日本語で仕事をこなせるレベルにまで達してしまった。そんな彼女の勉強方法は、大好きな日本のアイドルが出演するドラマや芸人のコントを観ることだ。また、あるカンボジア人の男性は、外国の生活や文化に強い関心を寄せていた。そのため、NHKの番組を視聴して、日本の社会問題の学習を楽しみながら日本語を習得したという。
二人に共通するのは語学の勉強に「楽しみ」を加えていることである。趣味の延長線上で学んでいけば、自然と積極的に、楽しく学べるだろう。自分の好きなものを大切にする。これが語学を習得するために最も効率的で確実なアプローチだ。
英語力を高めたいと強く思う人ほど、自分の足りない部分に目を向けがちである。英文のニュースが理解できない、外国人と上手く会話ができないという具合だ。こうした挫折の原因となり得るクセは捨てたほうがよい。
その代わり、今ある英語力で楽しむことを大切にしたい。同じ英語を聞くにしても、どうせわからないと聞き流してしまうのではなく、1つでも聞き取れた単語に集中して聞き続ける。この意識の差だけで、成長のスピードが数ヶ月単位で違ってくることもある。
また、知らないことは成長のチャンスだと捉えることが大切だ。あるアメリカ人は、街中で知らない言葉を耳にするたびに「新しい言葉を学べる!」と張り切り、片っ端からメモを取ったという。これほどの情熱があれば、語学力もみるみる向上していくだろう。
「もっと上達したい、うまく話したい」という焦りから、英語そのものが負担になることがある。そんなときは、こうした意識を捨てて、英語を楽しむという原点に戻ることが大切だ。
英語力の中で、リスニング力は最も早く向上させるべき能力だ。なぜリスニングを最優先するべきかというと、英語を習得していく過程で「相手が何を言っているかがわからない」というのは、かなり大きな心理的負担になるからである。
逆に、基本的なことなら聞いて理解できるという自信がつけば、英語を使うこともずいぶんと楽しくなるだろう。よって、まずはリスニング力の向上に集中したい。
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