まず、現在の仕事について自分の気持ちと向き合ってみよう。「一生続けたい」と思っている人はそのままキャリアアップをねらうのが成功への近道だ。また、「ベストかどうかわからないけれどとりあえず続ける」、「自分に合っているとは思わないが、ほかにやりたいことややれることもないからとりあえず続ける」という人は、将来転職する可能性もある一方で、意外に定年まで勤めあげるケースも多い。
しかし、「自分には向いていないがあきらめて続ける」、「人間関係がいやだから転職したい」と考えている人の転職は、少し危険なにおいがする。転職以前に精神的な「健康」が心配されるからだ。
特に、「人づきあいがうまくいかないから」という理由は、転職して失敗する典型的なパターンで、他の職場に行っても同じことが起きる可能性が高い。
転職という選択をする場合、当然のことながら再就職先を決めなければならない。しかしこれは非常に大変な作業だ。2010年時点で、失業者は222万人いるが、そのうちの約半数が、13カ月以上も仕事を探しているのに就職できていないという現実がある。
そうした事情を踏まえて、転職を成功させる前にやっておくべきこととして、お金の問題をクリアすることがあげられる。生活に困っているときに転職活動をおこなうと、納得がいかないまま再就職を決めることになり、ハズレを引く確率が高くなるからだ。
当面の生活資金として利用できるのは、主に貯蓄などの資産と退職金である。とはいえ、28歳だと退職金はあまりあてにはならないだろう。また、国から支給される失業保険をもらうためにはいくつかの条件があり、それらすべてをクリアしていないと失業と認められない。仮に認められたとしても、自己都合退職者の場合は退職してから約3カ月経たないと給付されず、それまでは預貯金と退職金で食いつながなければならない。
よって、転職を考える際は、失業保険の金額とこれまでの蓄えで、いつまで失業していられるかを計算しよう。期間内に再就職先が見つからない場合、生活は破綻すると心得るべきだ。
独立開業も選択肢の1つだ。すでに「当たりそう」なアイデアを持っている、何かにおいて人並み以上の才能や技術を持っている、半年~1年間くらいたえられる貯蓄がある、社交的である、自己管理ができる――このような人は独立開業に向いているだろう。
独立開業には、個人事業主として活動する方法と、法人(会社組織)にする方法の2つがある。個人事業主の利点は、手続きの簡単さと独立しやすさだ。個人事業主の場合、名刺や看板をつくり「個人事業主です」と宣言すれば、それで独立開業の成立である。
一方、法人は役所に届出が必要で、毎年決算もしなければならない。「法人は税制面に優れている」と言われるが、これはケースバイケースだ。将来的に大きな事業にしたい場合は法人にしておいたほうが有利だが、とくにその予定がない場合は個人事業でも十分である。
日本では晩婚化が進んでいると言われているが、公的な調査によると、東京都も含め男性の平均初婚年齢は30歳前後で、決して40歳、50歳の未婚者が当たり前になっているわけではない。
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