マストドン

次世代ソーシャルメディアのすべて
未読
マストドン
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マストドン
出版社
マイナビ出版

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出版日
2017年06月30日
評点
総合
3.8
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

いま、新たなSNS「マストドン」が静かなブームとなっている。

利用者の多いSNSといえば、すでにフェイスブックやツイッターがあるし、最近でいえばインスタグラムも若者を中心に利用者を伸ばしている。しかし、これらを押さえていれば十分かというと、けっしてそうとは言えない。世の中では日々新しいサービスが生まれている。世の中の動きに取り残されないために、新しい動きは1日でも早くキャッチして自分のものにしておくべきだ。

なぜ今マストドンなのか。名前くらいは聞いたことがあるかもしれないが、マストドンの何がこれまでのSNSと違うのかと聞かれて、正しく答えられる人はまだあまりいないだろう。だからこそ、ぜひ本書を通してマストドンの特徴を知り、実際に使ってみて、そのおもしろさを感じてほしい。そうすれば、きっと周囲の友人らにもマストドンを勧めたくなるはずだ。

フェイスブックやツイッターがそうしてきたように、マストドンがこれから世の中をどのように変えていくのか、それはまだ誰にもわからない。本書では、ソーシャルネットワークサービスの有識者たちが、それぞれの観点からマストドンへの見解を述べているが、マストドンの将来像は彼らですら正確に見えているわけではない。すべてはユーザーの活用の仕方次第だ。

本書を読むことで、ぜひ彼らと一緒に、マストドンの創り出す新しい世界に思いを馳せてみてはいかがだろうか。

ライター画像
山下あすみ

著者

小林 啓倫 (こばやし あきひと)
ライター・翻訳家。コンサルタントとして働く傍ら、先端テクノロジーと、それがもたらす企業・社会へのインパクトをテーマに執筆活動を行う。著書に『今こそ読みたいマクルーハン』(マイナビ出版)など多数。

コグレ マサト
ブロガー。Apple・IT業界の動向から国内外の旅までなんでも書くブログ「ネタフル」を運営。カルガリー名誉市民、アルバータ州ソーシャルメディア観光大使。ブログ本など著書多数。オジ旅4号。

いしたに まさき
Webサービス・ネット・ガジェットを紹介する考古学的レビューブログ『みたいもん!』管理人。著書に単著「ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である(技術評論社)」など共著も多数。

まつもと あつし
フリージャーナリスト・コンテンツプロデューサー・研究者(法政大学社会学部兼任講師)ITベンチャー・出版社・広告代理店、アニメ事業会社などを経て、現在フリージャーナリスト・コンテンツプロデューサー。

堀 正岳 (ほり まさたけ)
研究者・ブロガー。北極における気候変動を研究するかたわら、ライフハック、IT、文具などをテーマとしたブログ「Lifehacking.jp」を運営。ソーシャルメディアや仕事術について著書多数。理学博士。

本書の要点

  • 要点
    1
    マストドンはツイッターやフェイスブックなどとは異なる「分散型SNS」として世界中で注目を集めており、日本国内でのユーザー数も急増している。
  • 要点
    2
    日産、ピクシブなどの企業はいち早くマストドンの活用に取り組んでおり、以前から運用していたソーシャルメディアとは違う、新たな可能性を見いだしている。
  • 要点
    3
    マストドンは中央集権的になっていたSNSのあり方を変え、人々のソーシャルメディアの中での交流の仕方をも変えてしまうような可能性を持っている。

要約

【必読ポイント!】 マストドンブームがやってきた

マストドンとは何か

2016年10月にリリースされた「マストドン」は、ドイツ生まれの技術者オイゲン・ロッコ氏によって開発されたSNSだ。ツイッターは日本人のユーザー数30万人に達するのに2年8カ月を要したが、マストドンはその約4分の1の時間しかかからなかった。

マストドンはツイッターに似た、短いメッセージを投稿できるサービスである。ツイッターと異なり、公開範囲を用途に合わせて選ぶこともできる。たとえば、映画やテレビのネタバレを含む投稿などの場合、核心部分を隠して表示することで、まだ見ていない人に配慮ができるようになっている。

「分散型SNS」としてのマストドン
Metaphortography/iStock/Thinkstock

マストドンが他のSNSと決定的に違うのは、ひとつの企業によって運営されているサービスではなく、オープンソースであるということだ。世界中の管理者が、マストドンを使って独自のサービスである「インスタンス」を立ち上げているという構図である。そのため、ユーザーがアカウントを登録する際は、まず自分が所属するインスタンスを選ばなければならない。

マストドンで表示されるタイムラインは3種類だ。(1)自分とフォローした人の投稿だけが流れる「ホームタイムライン」、(2)インスタンス内のすべての投稿が表示される「ローカルタイムライン」、そして(3)外部のインスタンスの投稿も流れる「連合タイムライン」である。

複数のインスタンスが連合してネットワークを形成することから、マストドンは「分散型SNS」と呼ばれている。

メディアの注目

2017年4月上旬、マストドンのユーザー数が急増した。これは3月31日にツイッターが行った仕様変更がユーザーインターフェースの改悪と見なされ、ユーザーが流れたからだと言われている。海外のメディアはこの動きをこぞって取り上げ、マストドンの知名度はぐんと上がった。

日本でも、ASCII.jpやITmediaなどのニュースサイトで取り上げられたことや、ピクシブやドワンゴ、日産といった企業がマストドンへの関与を発表したことで、世間からの注目を集めた。さらに、5月にはウェブ系のメディアだけでなく、日経新聞などの主要メディアでも取り上げられ、その存在は多くの人に知られるようになった。

現在、日本ではピクシブの運営する「pawoo.net」と、当時大学院生が立ち上げた「mstdn.jp」が2大インスタンスとして君臨しており、「friends.nico」がこれに続いている。

マストドンの本質

閉じるツイッター、開かれたマストドン
Lightcome/iStock/Thinkstock

ツイッターがここまで浸透した理由が、その速報性と拡散性にあることは言うまでもない。しかしマストドンの特徴は別にある。それは「ユーザーの関わる余地がある」という点だ。

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要約公開日 2017.10.07
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