世界の最新医学が証明した 究極の疲れないカラダ

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世界の最新医学が証明した 究極の疲れないカラダ
出版社
アチーブメント出版

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出版日
2017年06月30日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

著者は、ニューヨークのマンハッタンで開業する、筋肉骨格系専門のスポーツカイロプラクターだ。日本では、カイロプラクターは国家資格などが存在しないため、マッサージの類だと思っている方も多いだろう。だが、日本と違ってアメリカでは、カイロプラクターは医師のライセンスを得て徒手治療をおこなう職業である。症状の診断を下すためにレントゲンやMRIなどの画像診断、血液検査も必要に応じて実施するが、基本的に薬や注射、手術をしない治療をする。

著者の治療は、ウォール街のビジネスパーソンはもちろん、五輪メダリスト、そしてハリウッドスターからも厚い信頼を受けてきた。その治療のプロセスの中で顧客に指導してきた内容をまとめたのが、本書である。

表題の「究極の疲れないカラダ」とは、何十年も動ける、疲れ知らずのカラダということだ。そのための鍵となるのは機能運動性であり、ひたすらストレッチをすることも、ジムで自転車こぎをすることも、機能運動性の向上にはさして効果はないらしい。また、日本人の間違った健康常識について、世界の先進医療の観点から鋭い指摘がなされているのも興味深い。

ぜひ本書で、自分で自分のカラダを調整し、健康を守る方法を学び、試してみてほしい。何もしていないのに疲れてしまうという方や、いつまでも若く元気でいたい方、必読である。

ライター画像
二村英仁

著者

仲野 広倫 (なかの ひろみち)
ロサンゼルス生まれ、日本育ち。大正15年創業仲野整體4代目として幼少のころより自然治療に触れて育つ。明治国際医療大学卒業後、三重県四日市市の仲野整體本院での修行を経て単身渡米。南カリフォルニア健康科学大学(SCUHS)卒業。ニューヨーク マンハッタンの5番街でTAIカイロプラクティックを開業。先進医学の診断とコンサーバティブな治療法を組み合わせた診療で、ハリウッドスター、アメリカ有数のセレブ、経営者から五輪メダリストなどを多数顧客に抱えるアメリカでもっとも成功している日本人カイロプラクターの1人。患者さんへの処方箋を自らも実践し、食事、運動、睡眠、治療を通じて健康的な生活を送りながら、アメリカ最新のスポーツ医学、機能運動性を回復することで長く元気に生きる機能運動医学を世界へ伝えるために出版、セミナー活動なども精力的におこなう。妻、息子とともにマンハッタン在住。
趣味:サーフィン、旅行、ランニング、水泳、筋トレ、ブラジリアン柔術

本書の要点

  • 要点
    1
    機能運動性とは、柔軟性・安定性・バランスの総合で決まる、思い通りにカラダを動かす能力である。「究極の疲れないカラダ」を手に入れる鍵は機能運動性の向上にある。
  • 要点
    2
    機能障害への対策は、正しいカラダの使い方を知り、その上でトレーニングをするということが大切だ。また、不調の原因を簡単にストレスのせいにしてはいけない。機能運動性が落ちたまま放置すれば、根本的な改善はない。
  • 要点
    3
    日本人は、自分の症状を専門家がなんとかしてくれると思い込んでいる。大切なのは、自分の症状は自分で治すという意識である。

要約

【必読ポイント!】「究極の疲れないカラダ」を手に入れる条件

「機能運動性」が鍵
Michael Blann/DigitalVision/Thinkstock

疲れにくいカラダとして、自在に動く、柔軟なカラダをイメージする人がいるかもしれない。けれど、そのために必要以上にストレッチをすることは、疲れ知らずのカラダづくりのためには、じつはほとんど意味がない。なぜなら、歩く、走るといった私たちの日常動作はストレッチの動きではないからである。日常動作に必要なのは、安定感やバランス感覚であり、ストレッチでは鍛えることができない。

私たちは日常の動きをするだけでも、じつは毎日怪我をしているといえる。久しぶりに階段を歩いたり、長時間立ちっぱなしでいたりすれば筋肉は疲労し、細かい筋繊維が故障したり破れたりする。日々壊れては修復することを繰り返すうちに、十分に回復しない部分の筋肉が硬く、短く、弱くなっていく。そして関節の動きも制限されていくことで、カラダが硬く動かなくなっていく。そのため、激しい運動をしていなくても、「椅子から立ち上がるのがおっくうになった」「階段を上がるのがつらくなった」といった不具合が起こる。これは「機能運動性」が衰えているサインだ。

機能運動性とは、柔軟性(関節の可動域)・安定性(筋肉の強さ)・バランス(動きの協調性)の総合で決まる、思い通りにカラダを動かす能力である。つまり、「究極の疲れないカラダ」を手に入れる鍵は機能運動性の向上にあるといえる。

カラダの痛みや歪み、柔軟性、使い方は、すべて機能運動性に関係している。痛みが出ている状態は、筋肉や靭帯、関節などの軟部組織が炎症を起こしている状態である。修復がうまくいかないと、次第に癒着していく。この軟部組織をリリースして動ける状態に戻し、カラダの正しい使い方を知り、その上で足腰の強さとバランス感覚を鍛えることで、機能運動性が向上する。ひいては一生動けるカラダが手に入るのだ。

カラダの老化とはどういうことか?
Plush Studios/Blend Images/Thinkstock

一般的に人は、加齢が原因で不調になると考える。しかし実際には、もともとカラダに悪かった場所があり、それに対して治癒力が追いつかなくなったことが不調の原因なのだ。年齢を重ねると筋肉量も減り、血液の流れも悪くなり、それによって細胞の回復が遅れる。これが老化である。運動や食事で遅らせることはできても、そのプロセスは、すべての人の中でつねに進行している。

「誰もがつねに老化している」ということは、カラダの機能を高める努力を始めることに、早いも遅いもないともいえる。機能障害につながるカラダの動きをしているなら正し、機能障害を防ぐためのトレーニングをする、といったことを実践すれば、たとえ今の年齢がいくつであろうと必ず効果は出る。

運動による効果は、特に今運動習慣がない人ほど感じやすい。運動によってこれまで使われていなかった機能運動性が高まり、カラダも元気になるだろう。言い換えると、老化は進んでもカラダを若返らせることはできるのだ。もちろん、バランスのよい食事と十分な睡眠をとることがまずは基本であり、運動はプラスアルファである。

ではそのための、効果的な運動とは何かというと、調査・研究の結果、有酸素運動と筋力トレーニングだということがわかっている。目安は、1週間に中程度の有酸素運動を150分、カラダの全部位を使った筋力トレーニングを2回以上実践することだ。661137人を対象にした大規模な調査の結果、このガイドライン通りに運動をこなした人は31パーセントも死亡率が下がったという。

カラダを正しく使うことの重要性

ストレスのせいにしない
sebastianosecondi/iStock/Thinkstock

不調の原因がわからないときこそ、原因をストレスに求めてはいけない。

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要約公開日 2017.11.11
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