1分で話せ

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出版社
SBクリエイティブ

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出版日
2018年03月20日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

「自分に自信があり、人前で話すことが大好き」「話す内容が次から次へと頭に浮かんでくるので、プレゼンで困ったことなどない」――会社で働くビジネスパーソンの中で、こういった人はまれだろう。大多数の人はむしろ、プレゼンでは何を話せばいいのかわからないし、人前に出ると頭が真っ白になってしまうはずだ。本書は、そんな人のための一冊である。

本書では「1分で伝える」ためのプレゼンでの話し方を中心として、「伝わる話し方」を紹介している。結論から話すのはビジネスの基本だが、では結論とは何なのか、といった根本的な問題から、あえて上司に「突っ込ませる」などの応用的なテクニックまでを幅広く取り上げている。それだけでなく、取引先の社長との商談や、会議の収拾がつかなくなってしまった場合など、ビジネスの場で直面しそうなさまざまなシーンが想定されており、実践的だ。また、1つひとつのトピックを紹介する前に「良い例」と「悪い例」が見開きで提示されており、直感的に理解しやすくなっている。

そもそもプレゼンは「人を動かす」ために行うものだ。したがって、その目的を達成するために、根回しからアフターフォローまで、できることはなんでもやるべきだ――というのが、著者の主張だ。プレゼンが苦手な人はもちろん、プレゼン力に自信をもっている人も、読めば新たな気づきを得ることができるだろう。人前で話す機会がある人にとって、読んでおいて損はない一冊だといえる。

ライター画像
池田明季哉

著者

伊藤 羊一(いとう よういち)
ヤフー株式会社 コーポレートエバンジェリスト Yahoo!アカデミア学長。株式会社ウェイウェイ代表取締役。東京大学経済学部卒。グロービス・オリジナル・MBAプログラム(GDBA)修了。1990年に日本興業銀行入行、企業金融、事業再生支援などに従事。2003年プラス株式会社に転じ、事業部門であるジョインテックスカンパニーにてロジスティクス再編、事業再編などを担当した後、2011年より執行役員マーケティング本部長、2012年より同ヴァイスプレジデントとして事業全般を統括。
かつてソフトバンクアカデミア(孫正義氏の後継者を見出し、育てる学校)に所属。孫正義氏へプレゼンし続け、国内CEOコースで年間1位の成績を修めた経験を持つ。
2015年4月にヤフー株式会社に転じ、次世代リーダー育成を行う。グロービス経営大学院客員教授としてリーダーシップ科目の教壇に立つほか、多くの大手企業やスタートアップ育成プログラムでメンター、アドバイザーを務める。

本書の要点

  • 要点
    1
    プレゼンの目的は「人を動かす」ことにある。「理解してもらう」ことや「きれいに話す」ことはゴールではない。
  • 要点
    2
    聞き手を具体的にイメージし、その人たちの反応を想像しながらプレゼンの準備を進める。準備とは、話す内容や言葉遣い、話し方などを考えていくことだ。
  • 要点
    3
    プレゼンにおける「結論」とは、「相手をどこに動かすか」である。
  • 要点
    4
    プレゼンのロジックは1つの結論と、それを支える3つの根拠のピラミッドで作る。
  • 要点
    5
    ロジックで左脳に、イメージで右脳に働きかけることで、相手の気持ちを動かす。

要約

「伝える」ための基本事項

プレゼン力=「人に動いてもらう力」だと知る

人は、相手の話の80%は聞いていない。どんなに完璧なプレゼンをしても、自分の考えが100%伝わるということはありえない。自分の話を聞いてほしいなら、まずはそのことを前提に始めなければならない。

プレゼン力とは、人に動いてもらう力だ。人を動かすためには、1分で話せるように話を組み立て、伝える必要がある。

聞き手を具体的にイメージする
Purestock/iStock/Thinkstock

プレゼンにおいては、「何のためにプレゼンするのか」を明確に意識しなければならない。

それを言語化すると、「誰に」「何を」「どうしてもらいたい」という構造になる。ポイントは「誰に」伝えるのかを考えることだ。

具体的には、相手の立場、何に興味があるか、このプレゼンに何を求めているか、専門的な要素への理解度、何をどう言えばネガティブな反応をするのか、などといったことを考える。

聞き手を具体的にイメージできれば、その人たちの反応を想像しながら準備を進めることができる。つまり、聞き手にあわせて、話す内容、言葉遣い、話し方などを考えていく。

ゴールを明確にする

「何のためにプレゼンするのか」「誰に伝えるのか」をイメージしたら、最後に「ゴールは何か」を考える。ゴールとは、プレゼンを通して、聞き手をどのような状態にしたいのかということだ。賛成してほしい、何らかの意見を表明してほしい、動いてほしいなど、具体的にどこまでしてほしいのかをはっきりさせておく。

プレゼンは、ゴールを達成するためにある。だから、聞き手にどうしてもらいたいのかを見定めたうえで、ゴールを達成するために何をすればいいかを逆算して考えるのだ。

なお、「理解してもらう」ことをゴールにしてはいけない。「営業部の○○さんにかけあってほしい」など、「理解した上で何をしてほしいのか」が必要だ。

また、「きれいに話すこと」も、プレゼンのゴールではない。とにかく相手を動かすことがゴールなのだ。相手を動かすためにできることは、なんでもやろう。根回しをしておいたり、席配置を工夫したり、プレゼン後にフォローしたりといった前後のアクションも、トータルで設計するべきだ。

【必読ポイント!】 1分で伝えるテクニック

「結論」と「根拠」でロジカルに考える
Tzido/iStock/Thinkstock

話には「結論」と「根拠」がある。結論は1つだが、根拠は複数あることが多い。結論を一番上に、根拠をその下に並べると、ピラミッドのような形になる。このピラミッドがしっかり組めていれば、話が不必要に長くなったり、伝わらなくなったりすることはない。

「これが結論です。理由はAでBでCだからです」というだけで話は伝わる。この基本の型にはめて考える癖をつけておけば、説得力のある話し方ができる。

相手を動かす「結論」を示す

ビジネスでは、「結論を先に話せ」と言われる。確かにその通りなのだが、

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要約公開日 2018.06.27
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