本書の要点

  • プレゼンの目的は「人を動かす」ことにある。「理解してもらう」ことや「きれいに話す」ことはゴールではない。

  • 聞き手を具体的にイメージし、その人たちの反応を想像しながらプレゼンの準備を進める。準備とは、話す内容や言葉遣い、話し方などを考えていくことだ。

  • プレゼンにおける「結論」とは、「相手をどこに動かすか」である。

  • プレゼンのロジックは1つの結論と、それを支える3つの根拠のピラミッドで作る。

  • ロジックで左脳に、イメージで右脳に働きかけることで、相手の気持ちを動かす。

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「伝える」ための基本事項

プレゼン力=「人に動いてもらう力」だと知る

人は、相手の話の80%は聞いていない。どんなに完璧なプレゼンをしても、自分の考えが100%伝わるということはありえない。自分の話を聞いてほしいなら、まずはそのことを前提に始めなければならない。

プレゼン力とは、人に動いてもらう力だ。人を動かすためには、1分で話せるように話を組み立て、伝える必要がある。

聞き手を具体的にイメージする

Purestock/iStock/Thinkstock

プレゼンにおいては、「何のためにプレゼンするのか」を明確に意識しなければならない。

それを言語化すると、「誰に」「何を」「どうしてもらいたい」という構造になる。ポイントは「誰に」伝えるのかを考えることだ。

具体的には、相手の立場、何に興味があるか、このプレゼンに何を求めているか、専門的な要素への理解度、何をどう言えばネガティブな反応をするのか、などといったことを考える。

聞き手を具体的にイメージできれば、その人たちの反応を想像しながら準備を進めることができる。つまり、聞き手にあわせて、話す内容、言葉遣い、話し方などを考えていく。

ゴールを明確にする

「何のためにプレゼンするのか」「誰に伝えるのか」をイメージしたら、最後に「ゴールは何か」を考える。ゴールとは、プレゼンを通して、聞き手をどのような状態にしたいのかということだ。賛成してほしい、何らかの意見を表明してほしい、動いてほしいなど、具体的にどこまでしてほしいのかをはっきりさせておく。

プレゼンは、ゴールを達成するためにある。だから、聞き手にどうしてもらいたいのかを見定めたうえで、ゴールを達成するために何をすればいいかを逆算して考えるのだ。

なお、「理解してもらう」ことをゴールにしてはいけない。「営業部の○○さんにかけあってほしい」など、「理解した上で何をしてほしいのか」が必要だ。

また、「きれいに話すこと」も、プレゼンのゴールではない。とにかく相手を動かすことがゴールなのだ。相手を動かすためにできることは、なんでもやろう。根回しをしておいたり、席配置を工夫したり、プレゼン後にフォローしたりといった前後のアクションも、トータルで設計するべきだ。

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【必読ポイント!】 1分で伝えるテクニック

「結論」と「根拠」でロジカルに考える

Tzido/iStock/Thinkstock

話には「結論」と「根拠」がある。結論は1つだが、根拠は複数あることが多い。結論を一番上に、根拠をその下に並べると、ピラミッドのような形になる。このピラミッドがしっかり組めていれば、話が不必要に長くなったり、伝わらなくなったりすることはない。

「これが結論です。理由はAでBでCだからです」というだけで話は伝わる。この基本の型にはめて考える癖をつけておけば、説得力のある話し方ができる。

相手を動かす「結論」を示す

ビジネスでは、「結論を先に話せ」と言われる。確かにその通りなのだが、

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要約公開日 2018.06.27
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