人は、相手の話の80%は聞いていない。どんなに完璧なプレゼンをしても、自分の考えが100%伝わるということはありえない。自分の話を聞いてほしいなら、まずはそのことを前提に始めなければならない。
プレゼン力とは、人に動いてもらう力だ。人を動かすためには、1分で話せるように話を組み立て、伝える必要がある。
プレゼンにおいては、「何のためにプレゼンするのか」を明確に意識しなければならない。
それを言語化すると、「誰に」「何を」「どうしてもらいたい」という構造になる。ポイントは「誰に」伝えるのかを考えることだ。
具体的には、相手の立場、何に興味があるか、このプレゼンに何を求めているか、専門的な要素への理解度、何をどう言えばネガティブな反応をするのか、などといったことを考える。
聞き手を具体的にイメージできれば、その人たちの反応を想像しながら準備を進めることができる。つまり、聞き手にあわせて、話す内容、言葉遣い、話し方などを考えていく。
「何のためにプレゼンするのか」「誰に伝えるのか」をイメージしたら、最後に「ゴールは何か」を考える。ゴールとは、プレゼンを通して、聞き手をどのような状態にしたいのかということだ。賛成してほしい、何らかの意見を表明してほしい、動いてほしいなど、具体的にどこまでしてほしいのかをはっきりさせておく。
プレゼンは、ゴールを達成するためにある。だから、聞き手にどうしてもらいたいのかを見定めたうえで、ゴールを達成するために何をすればいいかを逆算して考えるのだ。
なお、「理解してもらう」ことをゴールにしてはいけない。「営業部の○○さんにかけあってほしい」など、「理解した上で何をしてほしいのか」が必要だ。
また、「きれいに話すこと」も、プレゼンのゴールではない。とにかく相手を動かすことがゴールなのだ。相手を動かすためにできることは、なんでもやろう。根回しをしておいたり、席配置を工夫したり、プレゼン後にフォローしたりといった前後のアクションも、トータルで設計するべきだ。
話には「結論」と「根拠」がある。結論は1つだが、根拠は複数あることが多い。結論を一番上に、根拠をその下に並べると、ピラミッドのような形になる。このピラミッドがしっかり組めていれば、話が不必要に長くなったり、伝わらなくなったりすることはない。
「これが結論です。理由はAでBでCだからです」というだけで話は伝わる。この基本の型にはめて考える癖をつけておけば、説得力のある話し方ができる。
ビジネスでは、「結論を先に話せ」と言われる。確かにその通りなのだが、
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