「人前で話した時、急に頭が真っ白になってしまった」「何を言っているのかわからない、と言われて自信をなくした」「声が小さい、と言われてどうしていいのかわからなくなった」など、過去の経験がきっかけとなり、話すことへの苦手意識が芽生えてしまう人は少なくない。これは、自己肯定感が失われてしまっている状態だ。そんな人も、自分を肯定できれば、確実にうまく話せるようになっていく。
話すことを通じて失ってしまった自己肯定感は、話すことで取り戻すのが望ましい。ここでキーワードになるのが「全肯定」だ。お互いを否定しない空間に身を置くことで、自然と自己否定感が薄れていく。相手を肯定すると同時に、あなた自身が否定されることのないようにするのだ。
普通の人が「話せる人」になるためには、3つのコツがある。
まず「否定禁止」だ。会議では、誰かが何かを言った時に「そうは言っても」「それは、違うだろ」という空気が流れることがある。そうなると、誰もそれ以上話せなくなってしまう。意見や感想がどんどん出てくる場を作るためには、「とにかく正解を出さなければいけない」という思い込みを捨て、質より量を重視してどんな意見でも受け入れる雰囲気にすることだ。
次に「笑顔でうなずく」ことだ。うなずきながら聞いてくれる人がいると、誰しも話しやすくなる。安心感が話す力を引き出すのだ。
最後に「プラストーク」だ。プラストークとは、「人をほめること」「感動した話をすること」「今の現状を良くしていこうとすること」を指す。ネガティブな話、否定的な話は、話す人と聞く人、双方のエネルギーを奪ってしまう。プラストークによって明るい空気を作るようにしよう。
コミュニケーションが得意な人は、次の3つの原則を守っている。
まず「人は誰もが自分のことが一番大切であり、自分に一番興味がある生き物である」ということだ。一番興味がある「相手自身」のことを主役にすれば、相手の感情は高まり、あなたのことを好きになってくれる。
次に、「本来、誰もが自分のことを認めてほしいし、自分のことをわかってほしいと熱望している」ということ。そして最後に「人は自分のことをわかってくれる人のことを好きになる」ということだ。
話し方において一番大切なことは、「聞くこと」である。前の項で紹介した通り、人は誰しも自分に関心を持ってほしい、他人に認めてほしいと感じている。そんな相手の自己重要感を高めるために最も有効なのが、「聞き方」をマスターすることだ。
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