誰しも、面倒なことはできるだけ避けてラクをしたいものだ。一方で、私たちは向上心も持ち合わせている。素敵な自分でいたい。もっと稼ぎたい。おいしいものが食べたい……。
いつの時代も成功の鍵は行動である。アクションを起こさずして、よりよい人生を手に入れることはできない。ラクをしたい自分とより良い生活を手に入れたい自分という、矛盾するような状況を両立させるためには、どのようにして自分を操り、アクションさせるのかを考える必要がある。
では、「すぐやる人」は、いかに自分を操っているか。「すぐやる人」は、自分を無理に動かそうとしない。ラクに自分を動かせる術を心得ているのだ。
逆に「やれない人」は、自分を無理に動かそうとして失敗する。ダイエットしようと思うのに先延ばしを続ける。余裕を持って仕事を終わらせようとしたけど、結局ギリギリになってしまった……こうした失敗を繰り返すことで、「自分はダメな人間だ」という思い込みが刷り込まれていく。そしてますます行動できなくなるという悪循環に陥ってしまっている。
まずは自分を動かす勝ちパターンを見つけて、自分を自然と行動させるような習慣を身につけよう。
モチベーションには「鮮度」がある。鮮度が最も高いのは「やりたい!」と思った瞬間だ。書店で参考書を買って帰ったが、「明日から始めよう」と開かずにおき、いつの間にか本棚の奥にしまい込まれていたという経験はないだろうか。これは「やれない人」の典型的な行動である。明日も高いモチベーションを維持できると思い込み、明日やればいいと自分を納得させているのだ。
一方、「すぐやる人」は未来を信じない。「いつか」はやってこないと知っているから、今この瞬間にアクションしないと気が済まないのだ。
「すぐやる人」は、すぐにやることでモチベーションを高めている。心理学では「ツァイガルニック効果」という「人間は達成できなかった物事や、中断・停滞している物事に対して、より強い記憶や印象を持つ」という現象がある。要するに、小さな一歩でもアクションを起こすことで「やり残し感」を持てば、「完成させたい」という欲求が自然と湧き上がるというわけだ。モチベーションの鮮度が高いうちに0を1に変えるようにしよう。
ゴールを設定し、プランに従って行動する「逆算思考」。今できることに精一杯取り組む「積み上げ思考」。ビジネスやプライベートにおいて、逆算思考は多くのメリットをもたらしてくれる。道筋が明確で行動に無駄がないからだ。
「やれない人」は逆算思考を持っていない。ゴールを考えず「なんとなく頑張れるところまで頑張りました」となりがちである。
一方「すぐやる人」は、積み上げ思考も否定せず、時には必要だと考える。現代はかつてないほど選択肢にあふれているため、「将来何に繋がっていくか今はわからないけど、やってみたいからやってみる」という道も残しておきたい。「好きこそものの上手なれ」と言われるように、「やってみたい」「楽しい」という気持ちも大切にすべきである。
逆算思考はゴールから考える思考法で、積み上げ思考は現時点から歩いていく思考法だ。どちらがいいということではなく、使い分けるのが「すぐやる人」である。
私たちが最も影響を受けるのは、目で見た情報だ。おいしいものを見たら無意識に唾液が分泌されたり、衝動的になってしまったりする。
このようなとき「やれない人」は、衝動的になったことを、自分の意志の弱さのせいにしてしまう。しかし、
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