「会議は30分」ということがトヨタでは徹底されている。会議は1時間を基本としている企業も多いかと思う。しかし、会議時間が最初から1時間で設定されると、本来ならば30分で済む会議が、その時間を全て使い切るように進行されてしまう。
会議に2〜3回出席する日は頻繁にないだろうか。例えば、年間で600回会議があったとする。そうすれば、毎回の会議で30分間が無駄となる。年間では300時間無駄なことに時間を費やしていることとなる。
1日8時間労働とすれば、会議時間の無駄を排除することで、約2ヶ月間(37・5日分)の平日に相当する時間を生み出すことができるのだ。
会議時間を1時間から30分に短縮するだけで、年間6分の1の労働時間を別の仕事に充てることができる。
トヨタではどのように会議を進行しているのだろうか。会議時間が30分に設定されていることで、時間が限られているという意識が出席者全員に浸透する。そして、無駄な世間話が行われず、会議が始まった瞬間から、議題を確認して議論を行うことができる。
もちろん議論が白熱した時には30分で足りなくなることもある。その時は必要な分だけ延長する。しかし、延長も30分までである。それ以上の場合は別の会議を設定する。
この延長時間を確保するため、会議の予定は立て続けに入れず、最低30分は間隔を空けて会議を入れるように徹底されている。
会議の最後には「次回の打ち合わせ内容」を決める。そうすることで、次の会議では前回の会議以後に各関係者が動いた結果の情報交換から始まり、その後にブレーンストーミングや意見交換が可能になるのである。
会議中に議事内容をノートパソコンにカタカタと打ち込んだり、メモを取ったりしている人も多いと思う。逆にメモを取っていないことで、怒られたことはないだろうか。
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