説明がうまくいかない最大の理由は、相手を無視していることだ。説明する前に、「相手」と「目的」を確認しよう。「自分はこれから、何のために説明するのだろう?」「相手は、自分から何を説明されるとうれしいのだろう?」と考えてみる。自分の得になるかもしれないと思えば、相手は説明を聞く気になるものだ。
完璧に準備しているはずなのに、なぜか本番でうまくいかない――。そんな人は、準備の方向性がズレているのかもしれない。
ここでいう「準備」とは、プレゼン資料の作成や、話し方のトレーニングではない。説明する相手の人物像をリサーチすることだ。あなたが説明する相手は誰で、どんな人だろう。経歴や肩書き、重視しているポイント、データ派か直感派か、簡潔な会話を好むタイプかゆっくり話したいタイプか、NGワードは何か……相手を観察して戦略を立てる。相手が期待している内容を説明できると、あなたの評価は大きく上がるはずだ。
説明下手な人は、上司から意見を求められてもうまく答えられないことが多い。「考えが言葉にならない」のではなく、「考えていないから言葉にならない」のだろう。
こうした人が誰かに説明する必要が生じた際は、注意が必要である。上司などから言われた内容を自分の中で咀嚼しないまま伝えてしまうため、周囲はチンプンカンプンになってしまう。
説明力を伸ばすために、本や動画で勉強している人もいるだろう。だが、知っているテクニックの数が増えたからといって、説明力が伸びるとは限らない。重要なのは、その場に合ったテクニックを使うことだ。
その時々にふさわしいテクニックを使えるようになるには、実践あるのみだ。他者に向けてアウトプットを重ねよう。
伝わりやすい説明には、3つの特徴がある。「順序が理にかなっている」「数字やデータを使用している」「速く、簡潔で、効率的」だ。
「順序が理にかなっている」を実現する方法として、
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