怒っているときに下す判断は、まず間違っているものだ。だから、感情的になったときは、いったん冷静になってから反応したほうがいい。「話す前にちゃんと考えること」は「感情に任せて反応するのではなく、冷静になること」とも言える。
感情に任せた発言は、取り返しのつかない事態を招きかねない。反射的に何かを言いたくなったときほど、口を閉じて「反応しない」ことが大切だ。
頭のよさを決めるのは自分ではなく他者だ。その人のことを頭がいいと認識している人が多ければ多いほど、「頭のいい人」になる。
その前提に立ち、「他者がどのように思うか」を意識することこそ、知的で慕われる人が持つマインドの根本であり、思考の質を高めるために最も大切なことだ。「自分の企画が通らない」「言いたいことが伝わらない」「まわりが認めてくれない」と思っている人ほど、この視点が抜けていることが多くある。
「頭のいい人」と認められれば、話を聞いてもらいやすくなるだけでなく、自分の希望が通りやすくなる。この考え方は、自分らしく生きるために必要不可欠である。
「相手が頭のよさを決める」というと、「相手に頭がいいと思ってもらうために、賢いふりをする必要がある」と思う人もいるだろう。だが、賢いふりをするのは逆効果である。
「なんか言っているようで、何も言ってない発言」をする人たちは、「賢いふりをする人」の代表例だ。たとえば新商品の具体的なアイデアを検討する場で「ユーザーのニーズをとらえて、適切に施策を打つべきですよね」と、正しそうに見えて、なんのアイデアにもなっていない発言をする人。こうした「賢いふり」は人の心を動かさないため、その場は乗り切れたとしても、やがて聞く耳を持たれなくなってしまう。
相手への信頼が生まれる瞬間の心情は「この人、我々のためにちゃんと考えて“くれて”るな」だ。たとえばデート中、相手から「この青の服と、白の服、どっちを買ったらいいと思う?」と聞かれたら、あなたはどう答えるだろうか。
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