最短の時間で最大の成果を手に入れる

超効率勉強法

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出版社
学研プラス

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出版日
2019年03月05日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.5
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

「教科書の重要箇所にハイライトをひく」「語呂合わせで覚える」「忘れる前に復習する」。こうした定番勉強法が、実は科学的には効率が悪いことをご存じだろうか?

「最新の学習理論を学校教育の段階で知っていれば、もっと効果的な学習ができるのに……」と思うが、そうした機会は限られているのが現状だ。しかし、学習のメカニズムを理解すれば、誰でも短時間で大きな成果を出せる。数々の研究結果によって裏づけられた、「禁断の学習メソッド」を指南してくれるのが本書だ。

著者は、続々とベストセラーを生み出すメンタリストDaiGo。学び方のプロである彼は、いったいどんな方法で膨大な知識・スキルを体得しているのか? 本書では、DaiGoのサクセスストーリーを支えた「人生を最大化する勉強法」も公開されている。登場するのは入学試験、資格試験、昇進試験などに役立つ、応用度の高い手法ばかり。「もっと早くに知っておけばよかった!」と叫びたくなるかもしれない。

だが、安心してほしい。まずは、超効率勉強法の基本となる「想起」と「再言語化」の2大柱をおさえよう。本書のテクニックを実践することで、学習の理解度が上がる。そして、勉強そのものが楽しくなるにちがいない。

科学的な勉強法は、万人に開かれた窓である。要約者は本書からこの気づきを得て、視界が開けるような気分だった。常に新しい知をとり込み、「成長モード」で人生を楽しみたいのなら、本書を読まない手はない。

ライター画像
松尾美里

著者

メンタリストDaiGo
慶應義塾大学理工学部物理情報工学科卒業。人の心をつくることに興味を持ち、人工知能記憶材料系マテリアルサイエンスを研究。英国発祥のメンタリズムを日本のメディアに初めて紹介し、日本唯一のメンタリストとして数百のTV番組に出演。その後、活動をビジネスおよびアカデミックな方向へと転換し、企業のビジネスアドバイザーやプロダクト開発、作家、大学教授として活動中。日々インプットした膨大な情報・スキルを独自の勉強法で体得し、驚異的な成果をあげ続けている。
著書は累計300万部、『人生を思い通りに操る 片づけの心理法則』(学研)ほかヒット作多数。
●メンタリストDaiGo オフィシャルウェブサイト
http://daigo.jp/
●ニコニコチャンネル/メンタリストDaiGoの「心理分析してみた!」
https://ch.nicovideo.jp/mentalist

本書の要点

  • 要点
    1
    真に効果が高い勉強法には、積極的に学ぶ「アクティブラーニング」という共通項がある。アクティブラーニング化の2大ポイントは、「想起(思い出すこと)」と「再言語化(自分の言葉に置き換えること)」だ。
  • 要点
    2
    「想起」を使いこなすテクニックは、「クイズ化」「分散学習」「チャンク化」の3つである。
  • 要点
    3
    「再言語化」を使いこなすためのテクニックは、「自己解説」「ティーチング・テクニック」「イメージング」の3つだ。
  • 要点
    4
    学習の効果を高めたいのなら、「勉強前の準備」に時間をかける必要がある。

要約

やってはいけない勉強法

ハイライトは単なる気休め?

世間で推奨されているが科学的には効率が悪い。まずは、そんな勉強法の一部を紹介していく。

1つは、「ハイライトまたはアンダーライン」だ。教科書や参考書の大事だと思った部分に印をつける人は多いだろう。しかし、心理学者の多くはこれを、ただの気休めととらえている。問題は、ハイライトをひいただけで脳が満足してしまう点だ。脳はあくまで重要な情報を選別しただけで、「この内容には覚える価値がある」とまでは判断しない。よって、中身が頭に定着しない。さらには、脳の注意がハイライトされた特定の情報にだけ向かうため、情報の全体像を把握しなくなるというデメリットがある。

「忘れる前に復習しよう」は間違い!
SIphotography/gettyimages

もう1つの効率の悪い勉強法は、学んだことを「忘れる前に学習する」ことである。アメリカで行われた「復習の最適なペース」を探る実験によると、勉強の内容を忘れないうちに復習した生徒は、学期末の成績が最も悪かったという。逆にテストの成績がよかったのは、学んだことを忘れかけた時点で復習した生徒だった。

忘れないうちに復習すると、脳は「すでに知っている情報だから記憶しなくてもよい」と判断してしまう。よって、忘れた頃に復習するのが正解だ。思い出す作業によって、脳が刺激され、記憶の定着に結びつく。

そのほか、語呂合わせやテキストの再読、自分の学習スタイルに合わせるといった定番勉強法も、科学的には効率が悪いという。

【必読ポイント!】 「超効率勉強法」の基本

使える勉強法に共通するたった1つのポイント

真に効果が高い勉強法には、共通する1つの特徴がある。それは「アクティブラーニング」である。アクティブラーニングとは、授業を聞きながらノートをとるような受け身の姿勢ではなく、進んで頭を使いながら積極的に学ぶ手法のことだ。数十年におよぶ研究データによると、効果が高い勉強法は、アクティブラーニングの要素を含むという。著者が本書で提唱するのは、「アクティブすぎるほどのアクティブラーニング化」である。

アクティブラーニング化の2大ポイントとは?
BrianAJackson/gettyimages

アクティブラーニング化の2大ポイントは、「想起」と「再言語化」だ。

1つ目の「想起」は、「思い出すこと」である。人間の脳に情報を刻み込むのに最適な時期は、思い出す作業をした直後になる。模試を何度も受けたほうがいいというアドバイスが科学的に正しいのは、必要な情報を思い出そうとして、脳がよい方向に強化されるからだ。勉強法を見直すときは、「思い出す作業をどこかに組み込めないか」と考えるとよい。

2つ目の「再言語化」は、「自分の言葉に置き換えること」である。これは何かを記憶するよりも、何かを理解するときに大事になる。

たとえば、英語の「on」という前置詞の使い方を理解したいとする。辞書的な用法をそのまま覚えたり、「on the desk」などのフレーズを丸暗記したりしていないだろうか。これでは応用が利かない。一方、「onとは、具体的なものに限らず、何かに接触していること」などと、自分の言葉で表現すると、理解がしやすくなる。このように、「わかりやすく言い換えるとどうか」と考えることが、アクティブラーニングの基本である。

想起テク(1)「クイズ化」

ここからは、学習において最も大事な「想起」を使いこなすためのテクニックを紹介する。それは、「クイズ化」「分散学習」「チャンク化」の3つである。

まずは「クイズ化」である。覚えたい情報をクイズにして、自分の記憶度をテストする方法だ。代表例は単語カード、模擬テストなどである。これらを行うと、単にテキストを再読したときと比べて、約50~70%も記憶の定着率が上がることが明らかになっている。

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要約公開日 2019.05.21
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