人間関係は難しい。悩みの9割は人間関係にあると言われているほどだ。だが本書で紹介されるメソッドを習得すれば、周囲が自然と自分の味方になるだけでなく、相手の人生を変えるほどの影響を与えることもできる。
私たち人間は、すべて感情によって動いている。だからコミュニケーションによって相手を動かすには、多くの人が「満たしたいと思っている感情」を満たすことが必要だ。
その感情とは、「安心感」と「自己重要感」の2つである。「安心感」とは、誰かとつながっていたり、関わっていたりするときに得られる感情のこと。「自己重要感」は、自分は価値がある存在なのだという実感である。
相手の「安心感」と「自己重要感」を満たすことができれば、あなたのもとには自然と人が集まってくるだろう。
まず、相手の「安心感」を満たす方法を紹介する。
もし意見を真っ向から否定されたり、自分の存在自体まで否定するような発言が返ってきたりしたら、どう思うだろう。傷つくだろうし、それ以降も傷つくことを避けるようになるのではないだろうか。自分を否定する相手とコミュニケーションを取らなくなるのは当然のことである。
だから、「絶対に否定をしない」と決めることが、相手に安心感を与える第一歩だ。相手に「相談やアドバイスを求めても、否定されることはない」と思ってもらうこと。これができれば、相手は自分とコミュニケーションを取ってくれるようになる。そうすれば、あなたは人や情報が集まってくる人になれるだろう。
否定をしないといっても、相手の意見をすべて受け入れるわけではない。自分の意見は持ちながらも、相手の意見や考え方を受け止めてあげるということだ。
絶対に否定をしないこととセットで、最後まで話を聞くことを徹底すると、相手にさらに大きな安心感を与えることができる。特に「アドバイスをして、その通りに相手に動いてもらいたい」場合には、これが重要となる。
人は、自分の考えていることをすべて吐き出さないと、新しい考えを納得して受け入れることができない。最後まで話を聞いてもらうことで、アドバイスを受け入れる準備ができるのだ。
相手がすべて話し終わったかどうかを確かめるには、「他にもっと話しておきたいことはありませんか?」と聞いてみればいい。この質問だけで、相手の話を聞いているという姿勢を伝えることができる。
相手を否定しないといっても、一般常識的には間違っていることや「ありえない!」と思うようなことを言われたら、どうすればいいだろうか。理由も聞かずに否定をしたり、怒ってしまったりすることもあるかもしれない。
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