「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書

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出版社
東洋経済新報社

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出版日
2018年06月14日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.5
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おすすめポイント

先行き不透明な時代において、ビジネスパーソンは次々に新たな知識を得て、血肉にすることが求められている。こうした状況下では、難解な本を速く読み、内容を深く理解する力が強力な武器となる。では、得た知識を記憶にしっかり定着させ、日々の業務で十二分に活かせるメソッドがあればどうか。そんな垂涎ものの読書法を一挙公開したのが本書だ。

著者は、偏差値35から東大に合格し、暗記術やテスト術などの本を世に送り出している現役東大生である。成績向上のカギは、彼自身が編み出した「東大読書」にある。5つのステップを踏むことで、読解力も地頭力もみるみる向上し、情報を「使える知識」に変えられるという。

本書がベストセラーとなっている理由は、読書のテクニック指南に終始しない点ではないだろうか。読み進めるにつれ、本だけでなく人類が生み出した英知との「向き合い方」を学べるのだ。たとえば、ステップ2の「取材読み」では、著者に質問を投げかけながら能動的に本を読んでいく。また、ステップ4の「検証読み」では、同一テーマについて2冊の本を同時に読み、物事を多面的にとらえていくという。こうしたことから、自ら問いを立てて学ぶ姿勢、情報を批判的に読み解くマインドが、自然と身についていくにちがいない。その応用範囲は無限大といってよいだろう。

本書は読書術の枠を飛び越えた、本質的な「究極の知的生産術」である。しなやかな知性を手にし、ビジネスで成果を出すために、一生モノの「読み方」を身につけてはいかがだろうか。

ライター画像
松尾美里

著者

西岡 壱誠(にしおか いっせい)
東京大学3年生。歴代東大合格者ゼロの無名校のビリ(元偏差値35)だったが、東大受験を決意。あえなく2浪が決まった崖っぷちの状況で「『読む力』と『地頭力』を身につける読み方」を実践した結果、みるみる成績が向上し、東大模試全国第4位を獲得。東大にも無事に合格した。
現在は家庭教師として教え子に「『読む力』と『地頭力』を身につける読み方」をレクチャーする傍ら、1973年創刊の学内書評誌『ひろば』の編集長も務める。また、人気漫画『ドラゴン桜2』(講談社)に情報提供を行う「ドラゴン桜2 東大生プロジェクトチーム『東龍門』」のプロジェクトリーダーを務め、受験や学習全般に関してさまざまな調査・情報提供を行っている。
著書に『現役東大生が教える「ゲーム式」暗記術』『読むだけで点数が上がる! 東大生が教えるずるいテスト術』(ともにダイヤモンド社)、『現役東大生が教える 東大のへんな問題 解き方のコツ』(日本能率協会マネジメントセンター)がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    東大読書のステップは次の通りだ。ステップ1:本を読む前に「装丁読み」と「仮説作り」を行う。
  • 要点
    2
    ステップ2:記者になったつもりで著者に質問し、疑問を追求する「取材読み」で、論理の流れをクリアにする。
  • 要点
    3
    ステップ3:ポイントを要約し、次の展開を推測しながら読む「整理読み」で、一言で説明する力をつける。
  • 要点
    4
    ステップ4:複数の本を同時に読み、「検証読み」を実践することで、多面的な見方を身につける。
  • 要点
    5
    ステップ5:アウトプット重視の「議論読み」で本の内容をしっかり記憶に定着させる。

要約

ステップ1:仮説作りで「読み込む力」が劇的に上がる!

読み方を変えれば、地頭力は鍛えられる

難しい文章でもきちんと理解し、「読み込む力」と「地頭力」を鍛えるにはどうすればいいのか。ポイントは、本の読み方を変えることだという。著者が提唱する「東大読書」を実践すれば、この2つを下支えする「読解力」「論理的思考力」「要約力」「客観的思考力」「応用力」を身につけられる。本要約では、「東大読書」の5つのステップを紹介していく。

東大生は「読み始める前」に準備をする

「本の内容が頭に入ってこない」。その原因の9割は、準備不足にあるという。文章のタイトルを読んでいるかどうか。そして、本のカバーや帯の言葉を読んでいるかどうか。これらを実践することで、理解度に大きな差がつく。

東大生の多くは、国語の長文読解問題を解く際、真っ先に「問題文」を見る。問題文には内容のヒントがあり、そこから概要を大まかに把握できるからだ。東大生が文章を素早く、正確に読めるのは読解力に長けているからではなく、「文章の外からヒントを得る力」があるからだといえる。

少ない情報から中身を推測する「装丁読み」
SIphotography/iStock/Thinkstock

では具体的にどんな準備をするといいのか。ステップ1で必要なのは「装丁読み」と「仮説作り」だ。

「装丁読み」というのは、本のカバーや帯からその内容のヒントを読み取ることである。装丁に載っている文言やタイトルには、一目で読者に興味をもってもらえるよう、たくさんの情報が凝縮されている。

手順としては、タイトル、帯のそれぞれから引き出した情報を付箋に1枚ずつ書いてみる。そして著者のプロフィールから著者のバックグラウンドを確認し、得られる情報を付箋に書き出していく。こうして集めた付箋は、本の「見返し」に貼っておき、頻繁に見直すとよい。付箋を一覧化すると、ヒントをいつでも見直せるため、ヒントの活用度が増す。

本の全体像と自分の現在地を明らかにする「仮説作り」

次に「仮説作り」について解説しよう。「仮説作り」とは、その本の全体像を把握するための地図をつくることである。ポイントは、完璧な地図をめざす必要はないという点だ。

具体的には、「目標(なぜその本を読むのか)」「目標までの道筋(その本でどうやって目標を達成するのか)」「スタート地点(本を読む前の自分がいる現在地)」の順に、仮説を設定していく。そして、これら3つをまとめた付箋を見直してみる。すると、「今自分はこの目標のために、ここを読み進めている」と意識できる。あとは、本を読み進める中で、どんどん仮説を修正すればよい。

このとき、できるだけ自分との距離が遠い目標を設定することで、より高みをめざせるようになる。

【必読ポイント!】 ステップ2:取材読みで「論理の流れ」がクリアに見える

東大生は「読者」ではなく「記者」になる
Peshkova/iStock/Thinkstock

本の内容を自分のものにするには、「読者」ではなく「記者」になったつもりで読むとよい。著者が目の前にいたらどう質問するかを考えながら読むのだ。これが、ステップ2の「取材読み」にあたる。

「取材読み」の効果は多岐にわたる。なんといっても、感情を込めて読めるようになる。受け身の「読者」でいるときよりも、一歩踏み込んで文を読むため、著者の感情も理解しやすくなるのだ。こうして感情がわかれば、論理展開も格段に追いやすい。

情報を知識に変える「質問読み」

「取材読み」は「質問読み」と「追求読み」の2つから成る。「質問読み」では、読書中に「質問」となる部分を探し、そのページに付箋を貼っていく。次に、「質問」の回答が出てきたら、さらにそこに付箋を貼る。その後、「これは重要だ」と思う質問に出くわすたびに、ノートに写していく。こうすることで、得た情報が知識に変わる。

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要約公開日 2018.08.23
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