幸福度は年齢で変わる。10代は夢のような日々が続くが、20代半ばから40代半ばまでは、残酷な現実を生きなければならない。自分の限界も見えてしまうし、愛する人の病気や死に直面することもある。しかし、50代になると、自分に似た子どもという美しい存在、他人に評価してもらえる労力や知性を提供して家族を養う能力など、人生のありとあらゆるところに存在する素晴らしさに気付く。
だから、大人になって不幸やストレスを感じたりしても、それは人生の一部だと認識して前に歩み続けることが大切だ。その先には幸せが待っている。
若い頃からバランスを最優先することは好ましくない。なぜなら、キャリアをいかに速くかけのぼれるかは、大学卒業後の5年間にいかに努力して突き進むかにかかっているからだ。この世界では、大きなものではなく、すばやいものが勝つのである。
著者は現在、仕事と私生活のバランスの取れた日々を送っている。しかし、それは20代から30代にかけて、バランスを欠いた生活をしていた賜物なのである。
人生において最も大切な決断は、どこで働くのかではなく、人生を共にするパートナーを誰にするかである。よきパートナーとは、性的魅力を感じる相手というだけではなく、チームメイトとして自分の欠点を補い、人生を輝かせてくれる相手なのである。著者が周囲を見渡してみても、苦労も成功も分かち合える本物のパートナーがいる人は、明らかに幸せだという。
最高のパートナーシップとは、肉体的にも、さまざまな価値観の面でも、互いに求めることが一致していることで可能になる。とくに、価値観のなかでも、金銭についての考え方が同じであることが大切である。
所得水準と幸福度とは比例関係にあるが、所得水準が一定水準に達すると、幸福度は横ばいになる。著者が人生において失敗してしまったことは、人生のほとんどの時間を、所得水準を上げることに費やし、立ち止まって他に幸せになる方法を考えなかったことである。
もちろん、経済的な安定を手に入れることは大切だ。しかし、喜びと満足を与えてくれるものを把握して、それらに時間やお金を使うことも重要なのである。料理、ギター、マウンテンバイクなど、仕事以外のことに関心や興味を持つことは、あなたの人格に味わいを与える。時間を忘れ、何かに没頭してすることで得られる幸せもあるのだ。
この世で最も強い力は複利だ。そして、こつこつ貯蓄をしていると複利で増えることは、多くの人が知っている。しかし、多くの人は、小さな投資が人生の他のことにも同様の効果を発揮することを見過ごしている。それは人間関係である。毎日たくさんの写真を撮る、些細なことでも友達にメールを送る、昔の友達とまめに連絡を取る、愛する人にその気持ちを伝えるなど、1日ほんの数分でできることをやるのだ。それは初期の見返りはわずかだが、やがて大きなものに成長していく。
著者は成功とその基本的要因について、ずっと考えてきた。成功を収める上で、才能はもちろん大事である。しかし、才能だけでは、
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