驚異の「紙1枚!」プレゼン

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驚異の「紙1枚!」プレゼン
出版社
日本実業出版社

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出版日
2020年04月10日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

昨今のビジネスシーンでは、デジタルベースでのコミュニケーションが著しく増えつつある。スピードアップや環境への配慮から、紙の資料を用いなくなって久しいという方も少なくないのではないだろうか。新型コロナウイルスの感染拡大によって、テレワークやオンライン会議もずいぶん増えた。本来なら隣に座っているはずの同僚とのやりとりでさえ、ほとんどが画面上に移行している。そんな中、口頭なら伝わるはずなのにメールやビジネスチャットでは伝わりにくい、時間がかかるようになった、という問題も発生していることだろう。

こうした課題に、「紙1枚」で切り込むのが本書である。「紙1枚」と銘打ってはいるが、最終的に目指すところは「あらゆる内容を、できるだけしゃべらずに伝える」ことである。本書においては、プレゼンの話法やスライドのレイアウトといった内容は最小限だ。著者が推奨する思考整理法は、1回たったの3分ほど。この思考整理によって「考え抜く力」が得られれば、対面でのプレゼンだけではなく、報告書や企画書、メールやビジネスチャットなど、あらゆる場面で「どう伝えるか」を迷うことがなくなる。職場のコミュニケーションを円滑に、短い時間で行えるだけではなく、最終的には、説明しなくても伝わる信頼感を獲得できるかもしれないというわけだ。

本書は、プレゼンが苦手な方はもちろん、これからの時代を生きるビジネスパーソンにとって必携の書となるだろう。

ライター画像
菅谷真帆子

著者

浅田すぐる(あさだ すぐる)
「1枚」ワークス(株)代表取締役。作家・社会人教育の専門家。愛知県名古屋市出身。トヨタ自動車(株)入社後、海外営業部門に従事。同社の「紙1枚」仕事術を修得・実践。米国勤務などを経験したのち、6年目で同社のグローバル企業ウェブサイト管理業務を担当。企業サイトランキングで全業界を通じ日本一を獲得する。その後、(株)グロービスへの転職を経て、2012年に独立。
現在は、社会人教育の世界で、企業研修・講演等を多数実施。主な講義テーマは、“トヨタで学んだ、「紙1枚」書くだけのビジネスコミュニケーションカイゼン”。累計受講者数は10,000名以上。大企業・中小企業問わず、登壇実績多数。2017年には中国・広州にて海外企業研修を実現。2018年には、ルーツであるトヨタにて、パナソニック(株)との合同管理職研修にも登壇。また、独自の教育プログラムとして1年間のビジネスクール:「1枚」ワークスを開講。加えて、シーズン制のオンライン動画学習コミュニティ:「イチラボ」を主宰。いずれも日本全国だけでなく、海外からも受講者が集まる人気講座となっている。7年間配信し続けているメールマガジンは、読者数16,000人超。2015年からは、作家としてのキャリアもスタート。デビュー作は、『トヨタで学んだ「紙1枚!」にまとめる技術』(サンマーク出版)。年間ビジネス書ランキング4位、海外5か国翻訳のベストセラー・ロングセラーに。著者累計は41万部超。全著作が2か国以上で翻訳されるなど高い実績を長年にわたり継続し、多くの反響を呼んでいる。
公式ホームページ:https:asadasuguru.com/
公式メールマガジン:https://asadasuguru.com/mail-magazine/

本書の要点

  • 要点
    1
    「デジタル完結」が進む現代において、「考え抜く」機会は減少している。一方で、考え抜く習慣がないままビジネスチャットやテレワークを行っても、生産性は向上しない。働き方改革には、「考え抜く力」が不可欠だ。
  • 要点
    2
    「考え抜く力」を養うには、「紙1枚」による思考整理法が有効である。この思考整理法は「情報を整理する」「考えをまとめる」という2つのプロセスを繰り返すものだ。
  • 要点
    3
    プレゼンにおいて最も望ましい形は、「サイレンス・イズ・ゴール」、すなわち何も話さなくてもいい状態だ。

要約

デジタル完結時代の思考整理

デジタル完結による「紙0枚時代」の到来

本書のテーマである資料作成やプレゼンの機会は、近年、減少の一途をたどっている。その理由は3つある。まず、職場でより一層のデジタル化が進み、資料作成の機会が減ったこと。次に、ビジネスチャットの普及により、コミュニケーションのスピードが速くなり、メールや資料作成の頻度が低くなったこと。最後に、テレワークの拡大によって、打ち合わせ時にプリントアウトした資料を手元で見ながら話す動機が弱くなったことだ。

これからの時代、こうした「デジタル完結」が求められている。この傾向は、新型コロナウイルスによるパンデミックが発生したことも追い風となってさらに加速し、やがて紙ベースの資料を使わない「紙0枚」時代が到来するだろう。

「紙1枚」で思考を深める
chee gin tan/gettyimages

著者が勤務していた当時のトヨタには、企画書から報告書、キャリア面談まで、あらゆる提案や報告を紙1枚にまとめるという文化があった。著者は入社した当初、毎日のように資料を作って上司に見せ、真っ赤に添削された資料を受け取ることを繰り返していた。情報を紙1枚にまとめるのは難しく、提出と添削を何百回と繰り返してようやく、資料を「紙1枚」にまとめていくコツが体得できた。そのキモになっていたのは、問いを正しく立て、考え抜くことだった。

著者は「紙1枚」資料を作りながら、自身の仕事について考え抜いていた。「そもそも、この業務は何のために行っているのだろうか?」「今起きている問題の根っこの原因、原因の原因の原因は何だろうか?」「どんなアクションをすることが、最も効果的かつ現実的なのだろうか?」と。

この「考え抜く」という作業を抜きにしては、資料を紙1枚にまとめることはできない。考え抜けばこそ、資料に掲載すべき情報を精査でき、プレゼンで話す言葉も研ぎ澄まされ、説得力が生まれるのだ。

情報を整理し、考えをまとめる
Ivan-balvan/gettyimages

働き方改革のセンターピンは「考え抜く力」だ。考え抜く力が弱い状態で時短や生産性を追求しても、無駄なコミュニケーションが増えるだけである。著者の講座を受講した人の中には、ビジネスチャットで部下が話しかけてくる際、何が言いたいのか部下本人もわかっていないようだと悩んでいる人もいた。考え抜いて仕事をする習慣をもたない社員がチャットを利用しても、相手の貴重な時間を過剰に奪ってしまうだけだ。

しかも、「考え抜く力」を高める基本動作は、デジタル完結のワークスタイルの普及によって失われつつある。資料作成を通じてじっくり考え抜く機会が減り、チャットで気軽に、スピーディーなコミュニケーションをとることがよしとされるからだ。

では、「考え抜く」とはどういうことか。それは、「情報を整理」し、「考えをまとめる」という2つのプロセスを繰り返す、「思考整理」のことだ。

思考整理の手段としては資料作成が最適だが、今やその機会は失われつつある。そこで著者は、「紙1枚」による思考整理法を提案する。

【必読ポイント!】「紙1枚」で思考を整理する

トヨタの「紙1枚」資料

トヨタの「紙1枚」資料フォーマットの特徴は3つ。1つ目は、「紙1枚」にまとまっていることである。1枚に収めるべく、言いたいことや問題の原因、障壁などを簡潔にするため、考え抜く習慣がつく。

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要約公開日 2020.07.20
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