雑談の一流、二流、三流

未読
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雑談の一流、二流、三流
著者
出版社
明日香出版社

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出版日
2020年03月16日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

ちょっとした雑談でも話が尽きず、大いに盛り上がり、また話したいと感じる人がいる。その一方で、少し話をしただけなのに気を使ってしまい、なんだか疲れてしまう相手もいる。では、自分は人からどう思われているのだろうかと不安を感じたことはないだろうか。

本書の著者は、コミュニケーションスクールを運営しているコミュニケーションのエキスパートだ。著者は、「雑談」には人間関係を作る力があると考えている。本書では、そんな「雑談」のコツを「一流」「二流」「三流」の方法に分けることで、わかりやすく解説している。ここで驚かされるのは、二流で挙げられている雑談のコツに「これこそ雑談上手の振る舞いなのではないか」と思えるものが多くあるということだ。よく耳にする雑談のアドバイスである「聞き上手になる」というコツですら、このままでは二流止まりなのだという。一流になるためには、相手の話をアシストしていかなければならない。そして、それは本書で紹介されているちょっとしたコツで実現可能だ。

コロナショックによって、リアルなコミュニケーションの機会が激減している。オンラインでのコミュニケーションへの移行が加速していくといわれている現代だからこそ、「あの人と話したい」と思われる存在になることはますます重要になっていくのではないだろうか。人との関係性づくりを見直したいと思う方に本書を読んでいただきたい。

ライター画像
中山寒稀

著者

桐生稔(きりゅう みのる)
株式会社モチベーション&コミュニケーション代表取締役
日本能力開発推進協会メンタル心理カウンセラー
日本能力開発推進協会上級心理カウンセラー
一般社団法人日本声診断協会音声心理士

1978年生まれ。新潟県十日町市出身。
2002年、全国1200支店運営する大手人材派遣会社に入社。極度な人見知りが原因で新卒3カ月で左遷される。そこから一念発起し、売上達成率No1を実現する。その後、音楽スクールに転職、事業部長として350名の講師をマネジメントする。
2017年、社会人のリアルコミュニケーション力を向上すべく、株式会社モチベーション&コミュニケーションを設立。現在全国35都道府県でコミュニケーションセミナー、研修事業を展開する。数多くトレーニングを行ってきた経験から、人の心が動くコミュニケーションパターンを発見。日経新聞、プレジデント、東洋経済ONLINE、Yahoo!ニュースなど、数多くのメディアに掲載される。
セミナーや研修では、60分に20回以上笑いが起こり、場が燃え上がり、最後には衝撃的な感動が走る「心震わすメソッド」をお届けしている。
著書に『10秒でズバッと伝わる話し方』(扶桑社)がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    人の心を動かすのは、「どんなことを伝えるか」よりも、「相手とどんな関係性にあるか」である。その関係性を作るのが「雑談」なのだ。
  • 要点
    2
    雑談をする前に何も準備をしないのが三流であり、雑談ネタを準備するのが二流である。一流は、相手が心地よく話せるような「表情」を準備する。
  • 要点
    3
    一流は聞くのもうまいが、話させることが超絶にうまい。人間が持つ自分の話を聞いてほしいという欲求が満たされれば、また話したくなるのは必然である。

要約

何を言うかより、相手とどんな関係性にあるか

「雑談」で相手との関係性を作る
SDI Productions/gettyimages

かつて著者は、あまりの営業成績の悪さに新卒入社3カ月で地方に左遷された。売上がゼロだったのだ。断られるのがイヤで、見込み顧客へのアポイント電話ができないし、自分のトークを聞かれるのが苦痛で、上司と同行営業するのが苦手だった。自分のことばかり気にして行動できなかった。

地方に異動になった著者に課されたのは、飛び込み営業である。ほとんどが門前払いになり、時にはクレームになることすらあった。そんな飛び込み営業がイヤになった著者は、ひたすら既存の顧客だけを回り、担当者と5分ほどたわいもない話をすることを繰り返すようになった。ただそれだけなのに、既存の顧客から紹介がどんどん入るようになり、1年後にはエリアマネージャーになっていた。地方に異動してから2年、そのエリアは全国1200店舗中、売上達成率ナンバーワンにまでなった。

いまや著者は、コミュニケーションスクールを運営する、コミュニケーションのエキスパートだ。説明がうまい人が売れる、専門知識と技術がある人が出世するとは限らない。人の心を動かすのは、「どんなことを伝えるか」より「相手とどんな関係性にあるか」なのだ。その関係性を作るのが「雑談」である。著者のコミュニケーションスクールのメソッドを使用して、日々の雑談で人間関係を深めるトーク術を紹介しよう。

雑談のはじめ方

ファーストコンタクトは「質問」で先手を取る

相手とファーストコンタクトを取るとき、三流は、話しかけられるのを待ち、二流は、先に話しはじめるという。では、一流はどうするのだろうか。

人間は質問をされると、それに答えるという習慣がある。「今日のランチは何を食べたの?」と聞かれれば、瞬間的に今日のランチのシーンを思い出すだろう。一流はこの習慣を明確に理解しているからこそ、最初に質問をして相手から会話を引き出し、会話をリードしていく。会話の主導権を握っているのは、話している側ではなく、じつは質問をしている側だ。

著者のかつての上司は、全国ナンバーワンのトップセールスマンだった。営業先に行くと、「ご無沙汰しております!しかし焼けてますね。ゴルフですか?」と必ず先手を取って質問していたという。

スティーブ・ジョブズの師ともいわれているシリコンバレーの偉大なコーチ、ビル・キャンベルも、コーチングをするとき必ず「How are you? What are you working?(調子はどう? 今何に取り組んでいるんだい?)」という質問から入るという。

質問をして先手を取る。質問をされた人は必ず答える。一流は、このシンプルな法則を徹底しているのである。

一流は雑談前に「表情」を用意する
PeopleImages/gettyimages

雑談をする前に、どんな準備をするだろうか。何も準備をしないのが三流であり、雑談ネタを準備するのが二流だ。

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要約公開日 2020.11.26
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