創業して間もないマイクロソフト社でソフトウェアの開発責任者を務めていた著者は、ストックオプションのおかげで思わぬ富を手にし、周囲から尊敬され、世間からも顔を知られた存在になっていた。それでも気分は最悪だった。ついには「もう我慢できない」とマイクロソフト社を辞めた。
退社してからの3年間はいろんな道楽に手を出し、友人と出かけ、ストレスもなく気楽に過ごした。しかし、「生きる意味」にまったく具体的なイメージを持てずにいた。大量の本を読み、講演会に足繁く通い、支援グループにも入った。試行錯誤の結果、「『意義のある人生』に関する磨き上げられた知識の百科事典」と呼べるものを手に入れた。探究の中で、人生を最高に楽しむことは100%可能と結論づけた。著者が「人生を変える」ためにかき集めた知識と道具を、誰もが使えるように1冊の本の形にしたのが、本書である。
多くの人は、子どもの頃から周囲の大人にどう生きていけばいいかを教わる。その結果、「自分がやりたいこと」に目を向けずに、「他人の期待」に応えるための人生を生きるようになる。それが習慣化してしまえば、自分の望みを知ること自体が難しくなる。
だからこそ、「人生の目的」をはじめに見つけることこそが重要なのだ。そう言われたとき、多くの人は「"他人の”生き方の見本市」を物色して、めぼしい生き方を見つけ出そうとしてしまう。そうではなく、自分という人間が「本当は何を至上の喜びだと感じるか?」を明確に言語化したものが「人生の目的」だ。人生の意味を見つけることを先延ばしにするのはもうやめにしよう。自分の人生にとって何よりも大切なことに身を捧げること以上に、人生に深い意義と価値を与えてくれるものはないのだから。
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