アチーブメントピラミッドは、戦略的に目標を達成する概念を示したものだ。
ピラミッドの土台にあるのは「人生理念」だ。ブレない自分の軸として、あらゆる物事を判断し、選択する羅針盤になる。その上には、将来のあるべき姿「人生ビジョン」があり、人生ビジョンを実現するための長期、中期、短期目標が積みあがっている。
誰でも「こうしたい」「ああなりたい」という漠然とした考えを抱いているだろう。だが、頭で考えているだけでは実現できない。まずは生きる目的を明確にし、目的を達成する具体的なイメージをもって、それを数値目標に落とし込む必要がある。
目標を達成するための最重要スキルは目標設定だ。壮大な夢を見るだけでもいけないし、やみくもに行動するだけでもいけない。目標を明確に設定してはじめて、達成に向かって思考することができる。
目標を達成するために、心に留めておいてほしいグランドルールがある。
1つ目のルールは、能力開発の5段階を理解することだ。
(1):知識(知っただけで満足しない)
(2):理解(わからないことをわからないままにしない)
(3)・(4):実践・習得(できないことをできないままにせず、できるようになるまで行う)
(5):貢献(自分だけのものにせず、周りの人と分かち合う)
第1段階の「知る」と第2段階の「わかる」は、本を読んだり、各種セミナーや講演会に参加したりして理解した「知識」のレベル。第3段階の「行う」と第4段階の「出来る」は、得た知識を実践に移すための技術を習得する「技術」のレベルだ。第5段階の「分かち合う」は、知識と技術を総合して、人にも貢献できる「人格」のレベルである。
知識のレベルから技術のレベルに移行するときには、習慣の壁が立ちはだかる。毎朝6時に起きて勉強するのがどんなに効率的でも、実際に早起きするのは容易ではない。それでも、毎日6時に起きていれば、いつの間にか習慣として定着するだろう。
早起きが習慣になると「自我の壁」にぶつかる。誰かに勧めたくても、相手にどう思われるかが気になってしまうのだ。
ここで自己完結してしまうと、それ以上の成長はない。「知識」「技術」「人格」が三位一体となってはじめて、多くの人から信頼され、真の達成を成し遂げる人物になれる。
2つ目のルールは、対価と報酬の原理を理解し、自分に投資することだ。
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