攻撃欲の強い人は、「破壊」を欲している。強い怒りや敵意をもって、他人の幸せや成功すべてを壊そうとする。周囲への影響を顧みず、自分の道を邪魔する者の足を引っ張る。正当な理由があるかのように振る舞い悪意を隠して、あるいはそもそも悪意にすら気づかずに行動することもある。
かれらは、全てを自分で支配したい。とにかくけちをつけ、あら探しをして自分の力を誇示しようとする。うまく機能していた場をわざわざ壊し、あえて「自分のやり方」を導入し、それを決して変えようとしない。都合が悪くなると責任転嫁する。周囲にイエスマンを集めて、自らの存在意義を強調しようとする。このなかで出来上がった組織は、早晩つぶれる。
こうした人と一緒にいると徒労感や疲労感を覚える。最初は何となく感じるくらいだったとしても、言動を細かく観察すれば、あなたの世界を混乱させるタイプの人なのかが見えてくるはずだ。
では自分自身の身を守るためには、何をすればよいのだろうか。「自分がターゲットになったときの体・心の反応」と、「誰かが攻撃された時に周囲に見られる反応」の2軸から考えてみたい。
「急に気力や自信をなくす」「罪悪感にさいなまれる」「反論してもムダだと思う」「あの人がいると心身の不調が出てくる」といった場合は、できる限り距離をおくべきだ。早急に誰かに相談し、助けを求めよう。
自分が直接のターゲットではなくても、攻撃欲の強い人は周囲に影響を及ぼす。重苦しい雰囲気が漂い、もめ事や不和が絶えない。病気や事故、退職も増えて全体的に沈滞したムードが漂い、疲弊している。
そんな状況でも、攻撃欲の強い人は「自分の正しさ」を確信している。間違っているのはいつも他人であり、その考え方を変えさせようとしても無駄だ。
攻撃欲のある人は、さまざまな方法で心身を破壊してくる。
攻撃をとがめられても「わからないふり」をして、しらを切る。非難した側が逆に責められ、「攻撃している非常識な奴」扱いをされることもある。その結果、何をやっても何を言っても効果がないと感じて疲弊することになる。
自分以外の人間には何の価値もないと思っているため、「他人の価値を無視」する。
「愛している」と言いながら人前ではバカにするなど、言葉と真意、言っていることとやっていることに大きな「ズレ」を生じさせ、相手を混乱させる。
罪悪感を抱くように仕向けて自分の攻撃欲を隠蔽しようとするのも常套手段だ。
こうした“武器”が巧妙に使われると、自分も周囲も容易に反撃できない状況へと陥ってしまう。
被害者が反撃できなくなってしまう理由は、いくつかある。
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