コミュニケーションの問題地図

「で、どこから変える?」意識バラバラ、情報共有できない職場
未読
コミュニケーションの問題地図
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「で、どこから変える?」意識バラバラ、情報共有できない職場
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コミュニケーションの問題地図
出版社
技術評論社

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出版日
2023年08月09日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

上司とのやり取りがどうもかみ合わない、喫煙室などのクローズドな場で重要な意思決定がなされがち、1on1は時間の無駄だと思っている、チャットツールを嫌う人がいて情報共有に時間がかかる……多かれ少なかれ、どんな組織にもこのような“コミュニケーションの問題”があるのではないだろうか。こうした問題を解決するためのヒントがほしいなら、ぜひ本書を手に取ってほしい。

本書は、沢渡あまね氏の「問題地図」シリーズの最新刊だ。職場のコミュニケーションの「あるある」事象を7つに分類して、それぞれの問題点を丁寧に整理するとともに、解決策を提案してくれる。提示される7つの問題点は、一方通行、階層間の景色が合わない、こそこそ主義、忖度文化、目先主義、とりあえず1on1、コミュニケーションコストの意識がない、だ。

たとえば「とりあえず1on1」の解決策としては、「目的に立ち返る」「事前にテーマを設定する」「日頃から相手を観察する」などが挙げられる。知ってしまえば意外とシンプルだが、忙しい日々の中で、こうした解決策を思いつき、実践に移して、改善する……というサイクルをくり返すのは決して簡単なことではない。

職場の雰囲気を変えたい管理職はもちろん、生産性を上げてもっと快適に働きたいと願うすべての方におすすめしたい一冊だ。

著者

沢渡あまね(さわたり あまね)
作家/ワークスタイル&組織開発専門家。『組織変革Lab』主宰。DX白書2023有識者委員。

あまねキャリア株式会社CEO/株式会社NOKIOO顧問/浜松ワークスタイルLab所長/国内大手企業人事部門顧問ほか。

日産自動車、NTTデータなどを経て現職。400以上の企業・自治体・官公庁で、働き方改革、組織変革、マネジメント変革の伴走・講演および執筆・メディア出演をおこなう。
著書は『職場の問題地図』『新時代を生き抜く越境思考』『話が進む仕切り方』『どこでも成果を出す技術』『バリューサイクル・マネジメント』『仕事ごっこ』『業務デザインの発想法』(技術評論社)ほか多数。
趣味はダムめぐり。#ダム際ワーキング 推進者。
【ホームページ】http://amane-career.com/
【Twitter】@amane_sawatari

本書の要点

  • 要点
    1
    コミュニケーションが一方通行になると、仕事の手戻りが増えるだけでなく、相手との関係性にもネガティブな影響が及ぶ。一方通行に起因するズレには、目的のズレ、期待役割のズレ、成果の出し方のイメージや熱量のズレの3種類がある。
  • 要点
    2
    適切に情報共有がされない「こそこそ主義」の職場を変えるには、「口頭ではなく、チャットツールで情報共有する」「期待役割を明確にする」「用語や言い回しを汎用化する」「越境体験をする」の4つが効果的だ。
  • 要点
    3
    コミュニケーションコストに目を向けず、古いコミュニケーションのやり方に固執する人は、「課題解決できない」「逃げ場がない」という2つの問題に直面することとなる。

要約

【必読ポイント!】 一方通行

一方通行に起因する3つのズレ

社長は変革を叫ぶも、中間管理職以下は沈黙。会議で白熱しているふたりの論点がかみ合っていない。プロジェクトリーダーとメンバーとで温度差がある……。こうしたコミュニケーションのズレの中でも、とりわけ目立つのが「一方通行」だ。一方通行が起こると、仕事の手戻りが増えるだけでなく、相手との関係性にもネガティブな影響がある。

一方通行に起因するズレは大きく分けて3つある。

1つ目は目的のズレ、つまり仕事やコミュニケーションの目的に対する認識のズレだ。たとえば「社内会議のための資料を作って」と言われて対応したのに、マネージャーから「社内用語が多すぎて、これではお客さんに見せられない」とダメ出しされるケースだ。

2つ目は期待役割のズレ、つまりお互いに期待する役割のズレだ。マネージャーから「この仕事、ちょっと手伝って」と言われたので手を貸したら、後日「またこの仕事頼むよ。え、やり方覚えていないの? これはあなたの仕事なんだから、困るよ」と叱られるようなケースである。「私に引き継ぐつもりだったのなら、最初にそう言ってよ」と思ってしまうだろう。

3つ目は、成果の出し方のイメージや熱量のズレだ。売上目標を達成したのに、「1人だけでやってしまうのではなく、後輩を育てながら成果を出してほしかった」と言われるようなケースだ。ここがズレていると、成果を出しても評価されにくくなる。

ズレを軌道修正する7つの行動
Delmaine Donson/gettyimages

人それぞれ見ている景色が違うのだから、ズレはどうしても発生するものだ。ならば、ズレを防ごうとするのではなく、ズレを放置し続けないようにしたほうがずっと生産的である。ここでは、ズレを早期に発見し、軌道修正するための具体的な行動を7つ挙げる。

1つ目は、ズレに気づいたらすぐ指摘することだ。ズレを指摘しやすい組織カルチャーを創っていく行動も不可欠である。

2つ目は、相手と景色を合わせる工夫をすることだ。仕事を任せたり任されたりする時は、目的・インプット・成果物・関係者・効率の5つの要素を書き出しながら話し合うといい。

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要約公開日 2023.11.27
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